第三十一部 第一章 プロローグ
と言う事で終わった。
唯一、この力の良い所はする時間の短縮かもしれん。
皆、凄い格好して動かなくなった。
許嫁の顔も身体もトロトロだ。
部屋の時計を見る。
四時間半とな?
前なら、最低二十四時間はやっていたが。
とりあえず、皆に毛布を掛けて出た。
部屋を出るとまだ明るいので食堂へ行く。
皆が、遅い昼飯食べてた。
メイスン中尉が作ったみたいだが、バイキング方式なんだな。
「おや、また、えらく早いな。お前の方はどうなんだ? 」
親父が笑顔で声かけてくる。
「どうなんだって、どういう意味? 」
俺が訝しげに聞いた。
「そりゃ、今まで二十四時間とか平気でやってたんだ、物足りなくないか? 」
親父が笑いながら言ってくる。
「そう言うのは無いけど、ずっとこんな感じになりそうで困る」
俺が周りを見回すと、メイスン中尉とルイス中尉と親父とカザンザキスさんとアポリトとダグダ師匠とクニヒト大佐とヨシアキ大佐と樹老人さんがいる。
俺が喋るたびに光るらしくて微妙に皆の目がまぶしそうになっている。
それを見回して、スコット中佐とカガがいないのに気がついた。
「あれ? 」
「ああ、スコット中佐は原潜に戻った。で、カガが一旦戻るんだそうな」
「戻る? 」
「このまんまだとお前の嫁になりそうなんで、何とかするってさ」
「いや、あの人は女性で無いよね」
「男性でも無いぞ」
「なんで嫁になるのよ」
「女性の部分が著しく、お前に魅かれるんだと」
親父が苦笑した。
「なんだ、それ」
「いや、正直、凄いよな。世界の半分は女性なんだし」
「いや、全然うれしくないけど。出来たら何とかこの力をキャンセルしたい。許嫁に言うと殺されるかもしれんから、今のうちに言うけど」
「やっぱり、兄弟でもキツイか」
アポリトが笑った。
「いや、ヒモってのは楽ちんだけど、ちょっと、これ許嫁達の俺への執着心が凄くあがるんで怖い。これはまずい」
「むう、なるほどな」
「俺は逆にその楽ちんって前半の感想が気になるけど」
クニヒト大佐が突っ込んだ。
こいつ、相変わらず鋭いな。
そうだよ、そこは嬉しいんだよ。
「だって、ご飯から移動から服の着せ替えまで全部許嫁がやってくれると言う。俺は仕事しなくても良いって、皆で稼いでくれるんだそうな」
「マジか」
親父が羨ましそうに笑った。
「いや、程度問題でしょ。これだと、完全に単なるヒモじゃん。まあ、ヒモの力なんだけど」
「見てて面白いけどな」
「どうすんの? コンチュエに行ったって何も出来ない気がするんだけど」
「そうか、お前がチアンウェイさんとかを落としやいいんじゃね? 」
「え? ……マジで言ってる? 」
「当たり前じゃないか」
親父が満面の笑顔で答えた。
「それ、無限に許嫁が増えるよね」
「頑張れ」
親父が親指立てて言った。
俺がその場で崩れ落ちた。
ふざけんな。