第三十部 第七章 力の顕現
「で、許嫁さん達は? えらい早いじゃないか」
親父が俺に聞いてきた。
「いや、皆、少しやったら痙攣して凄い事になって、動かなくなっちゃって」
「は? 」
ヨシアキ大佐が唖然としてる。
「むぅ、つまり、絶倫にエッチの方も化け物クラスになったと言う事か」
親父が感心してる。
「ぜ、絶倫? エッチの化け物? 」
茶色がかった金髪の子が耳たぶまで真っ赤にして呟いている。
「き、君は自分の置かれている立場をどう思ってるんだ? 」
カガがたまりかねて怒ってる。
「いや、こんな場所で進化するのはおかしいと言ったら、許嫁達が私達が支えるからとか言ったから、いきなりヒモに進化で通ってしまった」
俺が困ったような顔で答えた。
「なんで、もっと拒否しないんだ」
カガが執拗に追求してくる。
何故か頬が赤い。
「いや、ごめんね」
俺がすまなさそうに笑顔で答えた。
するとまた、輝いたらしくて、皆が顔を背けた。
カガが真赤になってて何かへん。
「ど、どうした? 」
親父が心配そうにカガに聞いた。
「い、いや、性別的には私は中性なんだが、男性の部分と女性の部分があって、女性の部分が異様に反応して……」
カガが真赤になりながら動揺してる。
「ええ? 」
樹老人が動揺してる。
「凄いな。数千年生きてる中性の魔物すらノックアウトかよ」
親父が感心してる。
「こんな化け物みたいなのがヤマトに戻ったらどうなるんですか? 」
ヨシアキ大佐が慌てている。
「ふっ、孫が一杯出来そうだな」
親父が良い笑顔で答えた。
駄目だな、この親父。
と思ったら、親父に向けてベレッタM92が撃ち込まれる。
親父が絶妙のタイミングで避ける。
「私の、私の旦那様を好きにはさせません」
茶色がかった金髪の子が激昂してる。
「ち、ちょっと、危ないよ」
俺が茶色がかった金髪の子に言った。
「ああ、何て、お優しい祐樹様」
茶色がかった金髪の子が真赤になってふるふると震えた。
「大丈夫です。私が祐樹様をお守りしますし、このエレネが祐樹様の生活も全部見ます。祐樹様は微笑んで私の傍に居てくださればいいのです」
頬を染めながら茶色がかった金髪の子……エレネが答えた。
そういや、この子も親父が母さんに似てるとか言ってたな。
確かに、雰囲気似てるわ。
「祐樹様は、何もしなくて良いのです。食べるものも生活のお金も私が面倒見ますわ」
エレネが真赤になって感極まったように震えながら言った。
「こ、これがヒモの力か」
クニヒト大佐が絶句した。
やかましいわ。
しかし、異様だ。
確かに異様だ。
何だ、この力は……まともじゃない。
いつも、読んでいただいてありがとうございます。
本当に励みになります。