第三十部 第二章 恐怖は続く
と言う訳で、イージス艦も簡単な修理が出来たし、うれしい事にリヴァイアも帰ってきた。
リヴァイアを休ませたかったが、仕方ないので美味しいものを一杯食べて貰った。
イージス艦に乗ると、何だろう、すでにシャーロットが許嫁の中に入って仲良さそうだ。
一体、こないだのあの騒ぎはなんだったのだろうか。
イージス艦の縁から海を見ながらため息をついたら、親父が肩を叩いてきた。
「凄いな。さすがニュータイプだ。あっという間に許嫁にしてしまうとは」
親父が横で笑いながら楽しそうだ。
「いや、実際問題として、どうなの? 」
「何が? 」
「母さんキレるだろうし」
「まあ、膝蹴りだろうな」
「あぅ」
「だがな、どっちにしろ、シャーロットが混ざろうが混ざるまいが膝蹴りなんだから気にするな」
何と言うポジティブ。
「それって、どうなの? 」
呆れたようにカガが横で突っ込んだ。
「いや、でも、戦力は必要だし。シャーロットは強いぞ」
親父が満面の笑顔だ。
「いや、強いけど、俺は道徳的にどうなの? 」
俺が困ったように聞いた。
「いや、絶倫なお前が悪い」
親父が断言した。
なんでやねん。
「あの、この船の私達の寝室も見たんですけど、旦那様をお借りして良いですか」
アオイとミツキとシャーロットが俺の所に来た。
「は? 」
俺が唖然として聞いた。
「良いよ。向こうに着くまでたっぷり時間あるから、たっぷり楽しんでおいで」
親父がわけわかんない事を言う。
「「「はい」」」
そしたら、アオイとシャーロットをはじめ、許嫁の皆が凄い笑顔で答えた。
「待て待て待て待て。え? さっきまでしてたでしょ」
俺が悲鳴のような声で言った。
「あれは昨日の話だし」
ミツキが笑った。
「旦那様なら大丈夫ですよ」
アオイが凄い笑顔だ。
「えええええ? 」
俺が助けを呼ぶかのように親父やアポリトなどを見たが、視線を外された。
酷い。
「ねえねえ、これじゃ<終末の子>がヒモじゃない? いくらなんでも救世主なんだからさ」
カガが見かねて言ってくれた。
「ニュータイプなんだから、こういう救世主もありじゃないか? 」
親父が凄い笑顔だ。
「ええ? 」
カガが呆れたように答えた。
横で樹老人と今回はついて来たカザンザキスさんが凄い顔してる。
「ああ、嫁さん達にお願いだ。孫が早く見たいから頑張ってくれ」
親父がとんでもない事を言った。
許嫁の全員の目が光る。
お腹を空かせた虎が鹿を見つけたらこんな目をするんだろうか?
許嫁全員が何度も親父に対して頷いた。
俺がアオイとミツキに船室に引き摺られていく。
親父が口笛でドナドナを吹いた。
ドナドナはやめて!
マジですか!