第二十九部 第二章 コンチュエ
そこへ、カザンザキスさんが走ってきた。
「ここに居たのか? 」
カザンザキスさんが珍しく息を切らしながら言った。
「カザンザキスさんが調べてるとアオイやミツキに聞いたのですが、ヤマトの方はどうなんですか? 」
レイナさんとアンナさんを置いて来たし、その後が心配は心配だが、使徒から攻撃されるのでスカイフィッシュも飛ばせないし、困ってたのだ。
「ああ、ヤマトからの話だと、君の使徒に驚いたようで、アマゾネスも君の許嫁も撤退したらしい」
カザンザキスさんが答えた。
「ああ、それは良かった」
「いや、問題はコンチュエだ」
「は? 」
そう言えば、仮面がいたっけな。
「ああ、仮面が暴れてるのかな? 」
親父が苦笑した。
「仮面? 」
「ああ、俺の向こうの許嫁の一人に憑りついてたみたいでして、向こうの魔の凄い奴みたいなんですが」
「それのせいなのか? 」
「何かあったんですか? 」
「向こうの世界から大量の武器を買い込んで、近隣の侵略を始めようと動いてるらしい」
「は? 」
俺が驚いて聞いた。
「向こうの世界の銃器や兵器と魔法を使った混成部隊を作って、侵略を開始すると言ってるらしいんだ」
カザンザキスさんが繰り返すように言った。
「一体、どこを狙うと言うんですか? 」
いきなり、背後に現れたカルロス一世が驚いたように聞いた。
「それが、二つ候補があって、一つはパトリダなんだ。そして、もう一つがエテルノらしい」
「はぁぁああああああああ? 」
カルロス一世が凄い驚いてる。
「すでに相当な武装を配備して、準備をかなり進めてるようで、こちらもどうしていいか分からない」
カザンザキスさんもかなり慌てている。
「正直、ヤマトにも援軍要請は出したが、あちらも許嫁とアマゾネスの件で相当厳しいだろうし」
「とりあえず、私も一度、エテルノに帰ります」
カルロス一世が答えた。
「そうした方が良いと思う」
カザンザキスさんが頷いた。
「一体、誰がそんな事を始めたんですか? 」
俺が訝しげに聞いた。
「入ってくる情報を聞くと、信じられんがチアンウェイさんらしい」
「「はあ? 」」
俺とカルロス一世が唖然とした。
「嘘だろ? まさか、チアンウェイに憑りついたのか。ヤバイな」
カルロス一世が舌打ちした。
「あああ、あの子強いからな。どうするか」
俺もめまいがした。
厄介な事になって来た。