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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第二十八・五部 第五章 料理勝負Ⅱ

 先ほどから脂汗が止まりません。


「料理勝負再びだな」


 クニヒト大佐が言った。


「……ヤバイのか? 」


 親父が凄い不安そうだ。


「かなり」

 

 俺が凄い小声で言った。


「ミツキにしても、母ちゃんは料理旨いのになぁ」


「やめてよ。やめてよ。それ煽りになるから」


「前回はドラゴンの活造りだった」


「は? ドラゴンの肉って毒じゃ無かったか? 」


 親父が小声で驚いたように言った。


「あの時はグリルとグリラさんとか言う料理の神様が居て、光を当てて毒を消してくれたんですよ」


 ヨシアキ大佐が声を潜めた。


「量が少ないと良いんだけど……」


 俺が呟いた。


「そ、そうか兄弟。完食しないといけないのか」


 アポリトがくわっとした顔で聞いてきた。


「やばいな。何かの苦行なのか? 」


 ヨシアキ大佐が頭を抱える。


「むう、いい匂いと微妙な匂いが漂ってくる」


 俺が匂いを嗅ぎながら呟いた。


「くっ、微妙な匂いが俺にも分かるのが辛い」


 カルロス一世が怖い顔をした。


 皆が暗い顔をして見守る中、一時間くらいたって、深雪とさくらが丼物らしい料理を持ってきた。


「こ、これはまさか」


 俺が感動した。


 カツの揚げた匂いがする。


「嘘だろ! こりゃ、凄い! 」


 親父が大喜びだ。


「堅パンのカチカチなのをパン粉にしてみました」


 深雪が笑って答えた。


 間違いない。


 まさかのカツ丼だ。


「こ、これはカツ丼ですか? 」


 ヨシアキ大佐が嬉しそう。


「向こうの世界の人が作るカツ丼は初めて食べるな」


 クニヒト大佐も嬉しそうだ。


「こちらも出来ました」


 微妙な匂いのものを持ってアオイとミツキが来た。


 大きな鍋がぐつぐつ言ってる。


 まさかの鍋物とな。


 鍋が凄いでかい。


 こ、これを全部食べるのか……。 


 そう思いながら顔を上げると、男達全員の目があった。


 同じ事を全員が思ってたらしい。


「に、匂いが、その……珍しいな……」


 親父が控え目に言った。


「うん。普通の食材じゃ深雪さんやさくらさんに勝てないから工夫したの」


 ミツキが凄い笑顔だ。


 全員の顔が強張る。


 なぜ、普通の食材を使わない。


「ほ、ほう。独特な匂いだな」


 親父が脂汗を流しながら答えた。


「ええ、あちこちイージス艦の下の方を探してみたんです」


 アオイが満面の笑みを浮かべた。


 あかん、すでに食材と違うのではないか?


 そういう恐怖感がハンパ無い。


 俺がそう思ったら、カガが俺見て凄い顔してる。


「? なにか思われましたか? 」


 小首を傾げて可愛らしくアオイが聞いた。


 ふぅ、何も知らなかったら、凄いかわいい子なのに……。


「いえ、別に」


 心の涙が止まりません。


 








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