第四部 第三章 和解の受け入れ
急遽であるがミツキの話を聞いてヤマトの和解を受け入れる事にした。
ミツキ自身がこの世界を守るために覚悟して、汚い仕事をしてたのが分かったからだ。
だから、まずはミツキの事を知ってる人達に、ミツキがどんな覚悟で汚れ仕事をやってたかを説明し理解して貰い誤解を解く事を一番の条件にした。
勿論、賠償金は貰うけどね。
カザンザキスさんも、和解すると言った時、ほっとしてた。
まあ、先々でもバトリダは観光と貿易がメインになるだろうから、この世界でも有力な国家ヤマトを敵に廻すのは避けたいのだろう。
それは分かる。
「救世主の件は保留にします」
「それが、良いと思う」
カザンザキスさんが頷いた。
「えええ? なんで? 」
ミツキが動揺してる。
「いや、ユウキ君には言ったんだが、なんか、ヤマトの方で救世主が変な事になっていてね」
「は? 変な事? 」
「うん。救世主を誰かが代わりをやってるみたいなんだが、その救世主が赤い甲冑を着て名前を<赤い彗星>と呼ばせるようになっちゃってね。何が起きてるのか、正直、良くわからない」
「え? 」
ミツキの目が泳いだ。
「なんか、俺の名前は本当はシ〇ア・アズ〇ブルだったそうなんだ」
俺が呆れ果てたような顔をする。
「……そうなの……」
ミツキの声が小さくなった。
「さらに、そばにラ〇ァまで現われてんだぞ。婚約者だそうな」
「えええええ」
ミツキが白目になってる
「どうせ、アニオタの公爵連中だろう。普通考えるか? なんでシ〇アが出てくるのよ。本当に呆れる」
「そ、そうだね」
ミツキが目をそらした。
「うちのミツキが命をかけて戦ってるのに、こんな馬鹿な事をするなんて、絶対許せん。とりあえず、和解の席で徹底的に言ってやる。ふざけるなと」
「あ、あの、穏便に……」
本当に優しい子だ。
あのバカ連中を庇うなんて。
「いいんだ。あのアニメオタクどもには誰かが制裁しないといけないんだから」
ミツキが俯いた。
本当に優しい子なんだなと思った。
というわけで、向うもヤマトで一番早い高速帆船で、こちらに向かってるらしい。
あの馬鹿どもには言ってやらないと。