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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第二十八・五部 第二章 君の名は

 深雪とさくらのおかけで、渡り鳥は山賊焼と内臓の炒め物になった。


 料理が本当に旨いので驚くくらいだった。


 結果、次の日から、渡り鳥がイージス艦に来るのを楽しみにと言うより、猟犬のような目で皆で探すようになった。


 つい食い過ぎちゃったので、また具無しスープと堅パンしかない。


「ちょっとだけでも旨いものを食うと辛いな」


 アポリトが言いながら、鳥がいないか探してる。


「思い切って、聖樹装兵(せいじゅそうへい)で取ってきたらどうだろう? 」 


 カルロス一世が聞いてきた。


「いや、敵認識されたら一瞬で蒸発するぞ? 」


 親父が懐疑的に答えた。


「じゃあ、<終末(おわり)の子>たる甥が聖樹装兵(せいじゅそうへい)で行けば良いんじゃないか? 」


 カルロス一世がしつこく言った。


「いや、それは俺も考えたんだが、この船が敵認識されたら困るしな。大丈夫だとは思うが、やはり不安がある」


「つ、使えんなー」


 カルロス一世が恨めしそうに俺を見た。


「いや、そう言われても、俺、使徒の使い方を知らないしし」


「そう言う感じで聖樹装兵(せいじゅそうへい)は乗りこなしたんだろうが」


「これ、俺が動かしてんじゃないし」


 俺が第一使徒を指差して言った。


「命令して見ろよ。もう一度」


 親父が聞いてきた。


「いや、それが、名前を忘れちゃって」


 俺が頭を掻いて笑った。


「「はあ? 」」


 親父とカルロス一世が唖然とした顔してる。


「えええ? それじゃ、せっかく使徒がいても使えないんじゃ? 」


 クニヒト大佐が突っ込んできた。


「名前で命じないと難しいと思うぞ」


 龍女(りゅうじょ)さんが言った。


「どうすんだよ? 」


「いや、親父も覚えてないの? 」


「ガムがどうのとしか覚えてないな? 」


 親父が苦い顔してる。


「マーターがどうのと言ってませんでした? 」


 カルロス一世も首を傾げてる。


「だ、誰か覚えてる人いないの? 」


 親父が皆に聞くと、皆が首を振った。


「カガさんとか覚えてないの? 」


「いや、知らないよ。そもそも、使徒なんているなんて初めて知ったし」


「どうすんだ。これ。この使徒どうすんの? 」


 親父が俺に聞いてきた。


「いや、そもそも、俺は気絶してたし」


 俺が反論した。


「相変わらずの糞展開だな」


 カルロス一世がため息ついた。


「あの船とかと話が出来たらねぇ」


 ダグダ師匠が数百メートル下を航行する船を指差して言った。


「アサナト時代なら、あの程度の船ならすぐ占領できたのにな」


 アポリトがため息をついた。


 その時、はっと思いついた。


「ひょっとして、樹老人(じゅろうじん)とカガさん、今ならテレポート出来るよね」


 俺が樹老人(じゅろうじん)とカガさんを見て言った。


「そ、そうか、テレポートして行けばいいんだ」


 ダグダ師匠が喜んで言った。


「ち、ちょっと、待て。突然、わしが現われたとして向こうが交渉に乗るかの? 」


 樹老人(じゅろうじん)が動揺して答えた。


「僕なんて子供の姿だよ? 」


「誰が交渉するなんていいました? 」


 俺が言った。


「「は? 」」


 樹老人(じゅろうじん)とカガが凄い顔した。


「食糧庫から肉とか取って来てくれたらいいんですよ」


 俺が満面の笑顔で言ったら、樹老人(じゅろうじん)とカガが見た事も無いような凄い顔をした。


 

 

 


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