第二十七部 第十三章 エピローグ
何という事でしょう。
このイージス艦、食糧を殆ど詰んでない。
しかも、リヴァイアとシーサーペントも追っかけて来てるみたいだけど、とても追いつかないくらい早い。
すでに、あれから二日は経っている。
「止まんないね」
ミツキが呆れ果てたような顔をしてる。
「本当だね」
俺が笑顔で答える。
「本当だね、じゃないよ。どうすんのご飯? 」
すでに、堅パンくらいしか無かったりする。
「そろそろスープの具も無いね。幸い、水と調味料だけはあるけど」
深雪とさくらが言ってきた。
「当分、具無しスープだな」
カルロス一世がため息ついた。
「あれ? 親父は? 」
「メイスン中尉が子供と離れ離れになったと少し落ち込んでるから、話に行ってる」
ミツキが答えた。
「え? 親父にそういうの無理でしょ」
「そうは言ってもね」
まあ、面識あるの親父しかいないし。
「とりあえず、長いロープは出来たから、聖樹装兵着装してて、網降ろして引っ張るか」
親父が甲板に出て来て言った。
「メイソン中尉はどうなの」
「まあ、軍人だから、大丈夫だけど、とにかく食糧がやばい。幸い、網はあったんで、それで魚を捕まえよう」
「なぜ、聖樹装兵で? 」
カルロス一世が聞いた。
「いや、スピードが速すぎて、人だと網が受ける水の重さで落ちるだろうし」
親父が笑って言った。
「本当に止めるのも出来ないんだものな」
クニヒト大佐が横で愚痴った。
「いや、そう言われても、どうやって動くのかも知らんし」
俺が答えた。
「ちゃんとコントロールしてくれよ。出来るはずだぞ」
カガが怒ってるようだ。
「そう言われても」
マジな話、全く意思の疎通が出来ないんで無理です。
「まあ、しゃーないさ。いつかどこかできっと出来るんじゃないかな」
親父が破顔した。
慰めにもならんし。
「使徒だのさっぱり分からんな」
樹老人が首を傾げた。
「多分、十体以上いるはずだがな」
親父が意味深に言った。
「マジですか? 」
俺が驚いた。
「ああ、ただ今のままだと、全部逃げるのに使いそうで怖いな」
親父が苦笑した。
むう、絶対逃げれそうだ。
それは素晴らしい。
「それじゃ、意味ないだろ」
カガが俺に怒った。
心が読まれると言うのも困ったもんだ。
「こっちが困るよ」
カガが憤然とした。
「まずは、目先のタンパク質だな。用心にだが、聖樹装兵になってもイージス艦の外に出るなよ? 」
親父が皆に言った。
「何で、ですか? 」
ダグダ師匠が親父に聞いた。
「いや、万が一敵認識されたら、攻撃されるかもしれんから」
「ええ? 」
「おいおい、何とかしてくれよ」
カルロス一世が俺に言った。
「いや、そう言われても、俺もどうしていいか分かんないんで」
俺も諦め顔で答えた。
やべぇ、本当にどうしょう。