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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
310/2612

第二十六部 第八章 対決

 巨大な鮫が次々と、旗艦艦隊の旗艦に体当たりを始める。


「あれ、そろそろ来たかな」


 俺が甲板の上で呟いた。


 海の中から、リヴァイアが顔を出してクーと泣く。


 凄い疲れ切ってるように見える。


「すまん。リヴァイア」


 俺が謝った。


「ご苦労様」


 横でアオイが笑った。


 怖くて注意できません。


 目の前に魚に乗った人魚姫がいる。


 前回会った時より、老けているような気がするのは気のせいか?


「まあ、潮風に当たるだけでもやばいのに、ずっと魚の上に乗ってたら、老けるわよね」


 ミツキが横で呟いた。


 何と言うシビアな。


「悪いけど、使わせて貰うよ」


 そう言って、俺が人魚姫に手をかざした。


「心を攻める」


 俺が呟いた。


「ほぅ、それが例のトラウマの奴か」

 

 親父がのんきに言った。


 人魚姫との間に双方向の巨大なスクリーンが出て画像が映る。


 人魚姫視点で、何か水着を着た若い綺麗な女性に怒鳴られてるようだ。


「何が、人魚姫よ! 良い年こいて馬鹿な真似して恥ずかしくないの? 貴方の従妹でいるのが恥ずかしいんだけど! 」


 どうも従妹らしいが、その女性に馬鹿にされている。


 本人視点だが、かなりしょげているようだ。


「薄汚いババアなんだから、理解しなさいよ。あんたなんかゴミ姫がお似合いよ! 」


 言いながら従妹が人魚姫に海辺で飲んだジュースの缶とか入ってるゴミ袋のゴミを頭からかけた。


 本人視点で頭に残ったジュースがかかって目の前に滴っている。


 視点で本当に落ち込んでいるのが分かる。


「あれ? ちょっと、可哀想だよね」


 俺が画面を見て思わず言った。


 ちょっと、想定したのと違う。


 トラウマ作戦をやめようか悩む。


「兄弟、これはやり過ぎじゃないか? 」


 アポリトにも言われたので画面を消そうとした。


 そうしたら、六歳か七歳くらいの女の子が目の前に来る。


「えっ? 」


 親父が驚いた顔をした。


「どうしたの? 」


 ミツキが聞いた。


「メイヴだ。例の魔がついてるかもって子だよ」

 

「お姉ちゃんは人魚姫だよ。間違いないと思う」


 メイヴが言ったせいで、人魚姫の視点が少し上向いて明るくなる。


「ああいう、悪い人には罰を当てないと。悪い人は死んでもしょうがないよね」


 メイヴが凄くうれしそうに笑う。


「そ、そうだよね」


「ほら、まだ海底だから分からないけど、その少し先に鮫がニ匹いるよ。お姉ちゃんなら分かるよね」


 メイヴが海を指差した。


 その指差したところへ、従妹がジャブジャブと泳ぎに入る。


「罰を当てないと駄目かな? 」


 人魚姫が聞いた。


「うん。悪い人には当然だよ」


 メイヴが笑みを浮かべた。


「分かった。罰を与えるわ。鮫さん、鮫さん、あの子に罰を与えて」


 人魚姫が言うと海で泳いでた従妹が悲鳴を上げて、引き摺りこまれて、そこに大きな血の海が浮かぶ。


「お姉ちゃん。これでいいんだよ。悪い事したから、あの人は罰が当たったんだから」


 メイヴがニッコリ笑った。


「そうだよね。私、間違ってないよね」


 そこで画面が終わる。


「あれが、メイヴ? ペルソナがついてるとか言う子? こ、これはちょっと……」


 カガが困ったような顔をする。


「これはどんな奴がついてるか決まったようなものだな」


 樹老人(じゅろうじん)が頷いた。


「本当だ。良い子じゃ無いか」


 親父が笑った。


「だよね。あんな悪い人に罰が当たるのしょうがないよね」


 ミツキも笑顔だ。


「俺もそう思うわ」


 俺も横で頷いた。


「因果応報と言う奴ですね」


 アオイも深く頷いた。


「「は? 」」


 カガと樹老人(じゅろうじん)が青い顔をする。


「ありじゃないでしょうか」

 

 レイナさんも頷いた。


「ちょうど、ヤマト王家の百倍返しなら、あんなもんだな」


 うんうんと国王も頷く。


「ええ? おかしくない? 」 


「まあ、殺したんならやり過ぎかもしれんが、あのくらいは許容範囲では」


 カルロス一世も頷いた。


「はあ? 何を言ってるんじゃ、おかしかろう」


 樹老人(じゅろうじん)が驚いて、カルロス一世に反論した。


「いや、頭にゴミ捨てる方が悪いですよ」


 カルロス一世が左右に手を振りながら答えた。


「「「「だよね」」」」


 俺達が頷くとカガと樹老人(じゅろうじん)が凄い顔をした。

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