第二十五部 第十一章 エピローグ
「こ、こんな馬鹿な……」
俺の愚痴が止まらない。
とりあえず、あの後、こちらとしては再度の市松人形の襲撃を警戒してたが、動きはいまだに無い。
当然、ヤマトの再建中の港だけでなく、首都すらあちこちが破壊されてえらい事になってるのに、なぜ、俺は貴賓室の寝室に居るのだろうか。
しかも、すでに、ユイナのスキル蜘蛛の糸でグルグルに両手は縛られてベットの上に転がされている。
「レイナさん。今はヤマトが大変な時ですよ」
横にレイナさんがいるので言ってみた。
「だからこそ、父が未来に向けて子作りをと言われまして……」
レイナさんが真赤になってデレている。
「まあ、いつもの事だ。諦めろ」
龍女さんが精力剤の瓶を飲みながら笑った。
ユイナさんが例の四桁パネルを持ってきた。
「まだ、人魚姫も居るんですよ! 」
俺が叫んだ。
何で四桁パネルが……。
回数がどうのと言ってる場合じゃ無いと思うんだが。
「大丈夫ですよ。リヴァイアが気を遣って、引きつけて遠回りしてくれてますから、十分時間があります」
アオイが笑顔だ。
むぅ、逆に、そうするように言ったとしか思えない。
一晩中、海の中を走り続けるリヴァイアが可哀想だ。
だが、怖くて言えません。
「正直、今やっとかないと、いつ次に出来るか分かんないし」
キョウカさんが俺にすりすりしてきた。
いや、と言いつつ、結構やってんだけどとは言えません。
「へー、それが例の煎じ薬なの? 」
ミツキが奥で小さな火鉢の上で、鉄瓶で茹でてるムラサキに聞いた。
「はい、何か修羅の間で伝わってる秘薬だとの事です」
ムラサキが嬉しそうだ。
「ほう、効果はあるのか? 」
龍女さんが笑って聞いた。
「あるはずよ」
レイナさんが笑顔だ。
「……何の秘薬なの? 」
俺が恐る恐る聞いた。
「赤ちゃんが出来やすくなるんだって」
ミツキが笑顔で答えた。
「ああ、噂の奴か。何でも修羅が相手の子種を孕ますために襲う前に飲むとか言う奴だろ……」
アンナが笑顔だ。
「あ、これ飲むの私達なんで、旦那様は心配しないでください」
ムラサキが笑顔で答えた。
やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。
何で、こんな怖い薬ばかりあるんだ。
「旦那様のは、ほら、ここに」
ムラサキが液体の入ったボールを持ち上げた。
ボールのサイズがいつものと違う。
「でかっ! でかすぎない! 」
俺が叫んだ。
「だって、十七人分頑張ってもらうんですもの」
あかん。
逃げられません。
そうして、いつものように皆に押さえられて、俺は無理矢理それを飲まされて意識を失った。