第二十五部 第十章 巨大対決
巨大な市松人形をザクザクとヤマトの守護神とか言うロボットらしきものが巨大な長剣で斬りつけていく。
巨大な市松人形は、長剣で何度も切り裂かれながら、元に戻る。
「これ、意味あるのかな? 」
俺が呟いた。
「ひょっとしたら、ひょっとするかもよ」
ミツキが横で笑った。
「言えてますね」
アオイも頷いた。
「なるほどのう。つまり、いくら相手でもあれほどの重量を動かし再生するのだから、力を使い果たしつつあると言う事か」
龍女さんが指差した。
巨大な市松人形の指さした場所の斬られた部分の再生が無くなってきている。
なるほど、力を使い果たしつつあると言う事か。
「おおっ、初めて、凄いの見た」
俺がちょっと喜んだ。
「いや、こっちも限界だぞ」
カルロス一世がスキルゴーレム持ちの方を指差して言った。
すでに彼らの顔が土気色になりつつある。
こりゃ、あかん。
「むぅ、確かに良いころあいだ。必殺の武器を見せてやるとしょう」
国王が胸をそらした。
「いよいよ、あれを使うわけですね」
イジュウイン大公が興奮している。
「あれを現実に目の前で見れるとは」
サイトウ公爵が感慨深げだ。
悪い予感しかしない。
宰相が厳かに手をあげて指示した。
ヤマトの守護神のロボット<仮>が長剣をその場に突き刺した。
「一体、何をする気だ? 」
カルロス一世がいぶかしげに見た。
ヤマトの守護神のロボット<仮>が両手を前に突き出す。
「こ、これは……まさか……」
おれが衝撃を受けた。
「よしっ! いけーっ! 」
国王が叫ぶと同時にしゅるしゅると火薬の導火線が燃える音がする。
それと同時に大爆発が起こり、ヤマトの守護神のロボット<仮>の両腕の肘から前の腕がロケットの様に相手に向かっていく。
「ロケットパンチだと? 」
俺が唖然として言った。
かなりの重量のパンチは相手の巨大な市松人形の腹を突き破り、二つの巨大な風穴を開けた。
「「「「おおおおおおおおお! 」」」
兵士達が歓声を上げる。
「驚いた。これは凄いな」
龍女さんが珍しく笑って驚いてる。
「いや、でも、これだと……」
オチが見えたような気がした。
「ふふふ、ヤマトを舐めたな」
国王が嬉しそうに笑った。
「よし、トドメだ! 」
宰相が叫んだ。
「いけぇぇぇぇぇぇぇ! 一刀両断だ! 」
国王も叫んだ。
しかし、ヤマトの守護神のロボット<仮>は長剣が掴めない。
「はっ、腕が無いから長剣が掴めません! 」
宰相が青くなって叫んだ。
「しまった。そこまで考えてなかった! 」
国王も頭を抱えて叫んだ。
やっぱり、そう言うオチか。
アホや。
アホの集まりや。
「くっ、こうなったら体当たりだ! 」
国王が命令した。
ヤマトの守護神のロボット<仮>がボロボロになりながらも相手に体当たりした。
と同時に、こちらのスキルゴーレムの連中が気絶したせいで、ヤマトの守護神のロボット<仮>がバラバラになる。
それとと同時に向こうの巨大な市松人形も限界なのか崩れ落ちた。
後には、巨大なゴミの山が出来た。
すげぇ、むなしい。