第二十五部 第九章 巨大ロボット
「ふふふふふふふ、とうとう、この日が来てしまったようだな」
国王が意味ありげに笑った。
巨大な市松人形見ておかしくなったのかと思った。
皆、そう思ったらしくて無視してる。
宰相とかイジュウイン大公とかサイトウ公爵は国王を見て頷いてる。
「え? 何で無視するの? 」
国王が皆を見回す。
「いや、そりゃ、誰も相手にしないわよ」
たまりかねて、ミヤビ王女が突っ込んだ。
「なんか、嫌な予感がするんですけど」
キョウカさんも不安そうだ。
「ふっ、我々はアニオタだ! そんな我々がこのような状況を想定してないと思ったか! 」
国王が叫んだ。
「いよいよ、この時が来ましたね」
イジュウイン大公も笑った。
歯がキラリと輝く。
「宰相! あれを発進だ! 」
国王が厳かに宰相に宣言した。
「分かりました」
宰相が手を上げる。
いきなり、王宮の横にある広場がもりもりと盛り上がる。
そして、巨大な扉のような蓋が開けられた。
ズズーン! ズズーン!
と地下から足音がする。
巨大ロボットだ。
三百メートルくらいの巨大なロボットが出てくる。
「「「「おおおおおおおお! 」」」」
兵士達はどよめきを上げるが、こっちは呆れた。
「ちょっと、デザイン何とかしろよ! ガ〇ダムとシャ〇ザ〇とマジ〇ガーZとエヴ〇と百〇と適当に混ざってんじゃん! 」
俺が国王に突っ込んだ。
「いや、形で紛糾してな。皆の意見を取り入れて、こうなった」
国王が笑った。
「皆、好きなのがいろいろあって大変だったんだ。特に先代の宰相がマジ〇ガーZは譲れないと言うからな」
宰相が横で苦笑した。
そのロボットがいきなり長剣を抜いた。
「え? ビームサ〇ベルじゃないの? 」
俺が聞いた。
「そんな技術ある訳ないだろ? 」
宰相が悔しそうに答えた。
「て、ゆーか、あれ……」
ミヤビ王女が呆れた顔をした。
「いや、言わないで! 」
国王が耳をふさいだ。
「単なるゴーレムですね」
アオイが横で突っ込んだ。
「しかも、ゴーレムに金属のカバーつけただけだよ」
ミツキが横で呆れた顔だ。
「だって、しょうがないじゃないか」
国王が言った。
『渡る世間は〇ばかり』で小〇眞役のえなりか〇きの声だ。
相変わらず、訳の分かんない所でスペックが高い。
「とりあえず、短期決戦で終わらした方がいていんじゃない? 」
ミヤビ王女が言いながら見てるとこ見たらゴーレムのスキル持ちが大量に集まって、顔を真っ赤にしたり真っ青にしたりしながら、必死にスキル力を合わせてる。
結構、限界っぽそうだ。
「と、とりあえず、時間が無いので行くのだ! ヤマトの守護神よ! 」
国王がゴーレムのスキル持ち達に叫んだ。
長剣を振りかぶりながら、自分の倍近い大きさの市松人形にロボット……と言う事にしておこう……が斬りつけていく。
まあ、ぼろいんだけど、でかいから凄い迫力だ。