第三部 第十章 エピローグ
「嘘でしょ。なんで、リヴァイアサンと仲良くなってんのよ」
三つの首を持つドラゴンの上に乗る仮面の女は、百匹を超えるワイパーンを従えながらも、呆れ果てていた。
[あ、つながりましたね]
突然、テレパシーを受けて仮面の女が動揺した。
「お前、あの時の大量のサラマンダーと大量のヘル・ハウンドを襲わせないようにしてた奴か」
[あ、分かってたんですね。ユウキ様のスキルだけでは、ユウキ様以外がちょっと厳しい部分もあったんで]
「お前、雑種じゃないな。何者だ? 」
[雑種ってなんですか? ]
「白々しい奴め! 」
仮面の女が舌打ちした。
[申し訳ないんですけど、ユウキ様の為にワイバーンもいただきますね]
仮面の女が引き連れた百匹のワイバーンがコントロールが利かなくなり、次々と、カザンザキスの屋敷から遠い海辺に降りていく。
「ば、馬鹿な! やはりお前、<結末の時>の戦いでパトリダに主導権を持たそうとしてるな! やめろ! 時間が無いんだ! 本当に時間が無いんだ! 今は同じ世界の人間で戦いあってる場合じゃ無いんだ! 」
[何を言っておられるのか知りませんが、私がしたいのはユウキ様がスーパーをするそうなので、利便性を上げるために宅配便が出来ればなとおっしゃってたんです。それで、このワイバーンをお借りしたいのです。これなら空の宅配便ができます]
「は? 」
[宅配便ですよ。ユウキ様の世界では魔女の女の子が箒で空を飛んで宅配便をする事もあるそうで……]
「へ? ちょっと待って、主導権とか、<結末の時>とかじゃなくて? 」
[はい、宅配便です]
「お、お前が何を言ってるかわかんないんだけど……」
呆然として仮面の女が呟いた。
[スーパーでお客様が買った商品をワイバーンが届けるわけですよ。よりたくさん買ってくれるようになるじゃないですか]
仮面の女が三つ首を持つドラゴンの背の上で膝から崩れ落ちた。
「嘘でしょ! ただでさえ兄貴が戦闘進化してくれない難しい時に、ポンコツの巫女がついたの? こんなの絶対に無理じゃない! 」
[え? 兄貴? ]
「うるさいっ! 」
[ちょっと気になりますね。その三つの首のドラゴンに降りてきてもらいます]
「はあああ? 」
仮面の女が乗る三つの首のドラゴンがユウキのいる浜辺付近に降りはじめる。
「嘘でしょ。こんなに力があるはずない。あああっ、お前、兄貴に手を出したなぁ! 」
[キスしただけですよ。私はユウキさんに襲うんじゃなくて襲ってもらうつもりなんで]
「ふざけんなぁぁぁぁぁ! 」
アオイが屋敷から出て、ユウキの横に来た。
そして、三つの首のドラゴンがユウキとアオイの前に強制的に着陸させられる。
その時のショックで仮面の女の仮面が割れた。
「何々、どうしたの? 」
ユウキが横に来たアオイに聞いた。
「いえ、貴方の事を兄貴と呼んでるんで、強制的におろしてみました」
「兄貴? 」
ユウキが首を傾げた。
三つの首のドラゴンの上にいた仮面が割れた女が顔をあげる。
「え? 美月? 」
「兄貴」
言われた仮面の女--御堂美月が答えた。
「え? バス事故で? えええええええええええええええ? 」
ユウキが叫び声をあげた。
ブックマークをつけてくださった方と評価してくださった方ありがとうございます。
無茶苦茶うれしいです。
それと、読んでくださってる方々にも本当にありがとうございます。
書いていいのか分かりませんで、書いてませんでしたが、今日は書かせていただきます。
本当にありがとうございます。
主人公がとうとう轟天を三部にして全く使わなくなったり、炎系の魔術を使える設定のミヤビ王女が今回初めて火炎系の魔術を使おうとして失敗して、結局作品がはじまって一度も使ってなかったり、本当は鉄砲と弓の名手のはずのクニヒト少佐がゲロしかはいてなかったり、考えみれば本当に酷い作品ですが、本当読んでくださって、ありがとうございます。心から感謝いたします。タイ捨流なんか、技まで全部調べて設定組んで、一度も使ってない。ヤバス。