第二十五部 第五章 デブせん
「「「デスピナ様の為に戦います! 」」」
周りにいる兵士達が叫びだした。
目がハートの様になっている。
正直、十人に一人くらいだが、こんなにああいうのが趣味な奴がいたのが信じられない。
「嘘だろ? 」
俺が衝撃を受けた。
困った事に元米軍らしい兵士に多い。
全員が刀やナイフを抜いて暴れ出した。
魅了された元米軍らしい兵士達は拳銃抜いたりするもんで、まわりの連中が必死に取り押さえている。
「意外とあれって、魅力的なのか? 」
素でカルロス一世が驚いてる。
「あちらの世界で言う、デブせんとかいう奴ですかね」
正直潰れ肉まんとか言ってるけど、身体は相撲取りみたいだ。
「奥が深いんですね」
アオイが横で呟いた。
「とりあえず、強襲型の蒼穹船を降ろしてるけど、仲間を撃つ訳に行かないよね」
燐女さんも困ったような顔をしてる。
「とりあえず、私も様子見じゃな」
龍女さんも笑った。
「皆、騒いでる者を早く取り押さえなさい」
レイナさんの一喝で修羅一と兵士達が次々と動き出す。
確かに、国王より指揮能力が高かったりして。
「どの道、自分の隠してた趣味が皆にばれるって辛いな」
カルロス一世が笑った。
「そうですね」
俺も笑って答えた。
「俺もデスピナ様の為に戦います! 」
いきなり、真横で言われた。
横を見たら、まさかのヨシアキ大佐だった。
目がハートになってる。
「はぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁあ? 」
ここ最近で一番衝撃を受けた。
仲間達や彼の部下が凄い顔してる。
勿論、カルロス一世の顔もやっちゃったなって顔してる。
ヨシアキ大佐が刀を抜いて振り被る動作をする間にヨシアキ大佐に俺が金蹴りして前かがみにさせた。
ヨシアキ大佐が前かがみで刀落とした段階で顎に、俺がさらにミドルキックして脳震盪を起こさせた。
そのままヨシアキ大佐が倒れて動かなくなる。
「うわぁ、容赦しないな」
カルロス一世が呆れた顔をした。
「このまま、気絶させて実は夢だったと言う事にいたしましょう」
俺が皆に言った。
「デスピナ! 人には隠したい趣味とかあるんだ! よくもヨシアキ大佐の趣味を暴露したな! 貴様は許さん! 」
「ちょっと、意味ないじゃん」
ミツキが呆れて突っ込んで来た。
まわりで、え? とかヨシアキ大佐が? とかさわさわ騒がれている。
「はっ! あたしの魅力が分かる男だって事だよ! 」
デスピナが笑いながら答えた。
「分かりたくないぞ! 」
カルロス一世が怒鳴った。
「ほら、良くこいつを見な! 」
デスピナが国王を横に連れてきた。
国王の目がハートだ。
何だと!
「皆、デスピナ様の言う事を聞くんだ! 」
国王が皆に叫んだ。
「「「「「ええええぇぇええええぇぇぇええええええええええ? 」」」」」
そこに居る全員が凄い顔をした。