第二十五部 第三章 帰ってきた和真君
「サイトウ・カズマです」
何か壊れた感じで挨拶された。
「ど、どうした? 」
俺が聞くと目がうるうるしてる。
「気が付いたら、結婚式場で結婚してた」
和真がぽつりぽつりと呟いた。
その後、迷彩色の服を着た米軍のような兵士達がまわりにいた。
「こ、この人達は? 」
「シュウジさんと乗り込んで来て、猛禽に襲われて、こちらに帰化した人らしい」
ああ、居たな。
そういや、猛禽に襲撃させたわ。
懐かしいな。
「すでに、皆、子供が産まれてて逃げるに逃げれないんだよ。この人達」
和真の説明で、元米軍らしい兵士達が覚悟を決めた目をしてる。
「俺達は皆、家庭に恵まれて無かったから、こういう兵士をやってたからな。産まれた子供に俺達と同じような思いはさせたくない」
その中の一人の白人の兵士がそう答えた。
本当に決意の籠ったような目をしてる。
クニヒト大佐に爪の垢でも煎じて飲まして欲しい。
「あ! 」
後ろに土気色の顔をしてる親父を見つけて、元米軍らしい兵士の一人が叫んだ。
元米軍らしい兵士達が駆け寄って、親父をゆさゆさする。
「パ、パパになっちゃったよ! パパになっちゃったんだよ! 」
皆が口々に叫んでる。
凄い光景だ。
万感のこもった目をしてる。
怒ってるんだろうか?
何だか少し分かんない様な叫び方だった。
「こ、これ、やったのって……」
カルロス一世が引き攣りながら聞いてきた。
「その先は言わないでください」
ぱっと振り返って俺が笑った。
「やはりか……糞だな」
カルロス一世が呆れ果てた顔をした。
「良かったね。赤ちゃん可愛いでしょ」
空気を読まずにミツキが元の米軍らしい兵士達に言った。
「おめでとうございます」
アオイやミオやキョウカさんも笑顔だ。
無言の圧力や。
叫び声の様に白人の兵士達が泣きだす。
地獄絵図やな。
「とりあえず、俺も手伝う。産まれてくる赤ちゃんの為に……」
和真がぶつぶつと呟くようにゆらりとこちらに来た。
「頼むぞ、婿殿」
空気を読まずサイトウ公爵が和真の肩をポンポン叩く。
和真の目が虚ろだ。
「むう。人生経験をしすぎた顔だな」
カルロス一世が横で呟いた。
「与えすぎる肥料は腐らせてしまうと言う事ですね」
俺が頷いた。
「やっといて言いますか」
いつの間にか、ヨシアキ大佐が部下を連れて近くに来てる。
俺が来た途端、警備を始めたようだ。
王太子所属って書いてある胸のバッジがうざい。
「やっぱり、私達も赤ちゃん、急がないと」
ミツキが必死だ。
おや、こちらに来ますか?
「早く赤ちゃん産んで、お父さんを安心させたい」
ミオも横で必死だ。
おやおや、因果応報ですね。
これは後で凄そうだ。
涙が出そう。
感想をいただけたので返事を書く時間を作りましたのでついでに投稿いたします。
やはり、痔ろうと聞くと黙っておれません。
痔ろうは痔のチャンピオンです。
病院で仲良くなった、おばちゃん達が出産より痛いと言ってました。
と言う事で感想待ってます。
痔ろうが痛そうと言う人はブックマークもください。
冗談です。
後、なんか、サイトウカズマで良く考えたら、某作品の主人公に名前が似てるんですけど、すいません。
なんかいろいろあって、壊れております。
お許しくださいませ。