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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第三部 第九章 戦

 すでに、シーサーペントはいくつか作った巣にそれぞれ移動させて、いつでも戦えるようにした。


 そして、アポリトの索敵スキルも凄いもので、相当な広範囲で出来て、続けたままだと疲労するので、時間を決めて探ってる。


 返事によっては攻めてくるかもしれないが、このコンボで潰すつもりだ。


「なんか、来るぞ。でかい奴だ」


 アポリトが俺を見た。


「海の中だな。かなりでかい。」


「面白い。やっぱりやる気か。シーサーペント達で少しずつ囲ませてくれ。囲んで引きずり込んで潰してやる」


 戦う為に、商人として紋章にしまわせてた甲冑を全身に着装させる。手には傍らに置いていた轟天(ごうてん)を掴んだ。


「これ。多分、こないだコンチュエで海から来た奴です。」


 アオイが俺に教えてくれた。


「え? 海から? 」


 いたっけそんなの?


「リヴァイアサンです」


 アオイが断定した。


「どうしましょう。リヴァイアサンだとシーサーペント達にも凄い被害がでます」


 アオイが心配そうだ。


「え? 強いの? 」


 俺が聞いた。

 

「海で最強の生物だ」


 アポリトが答えた。


「マジか! 」


「一直線でこのカザンザキスさんの屋敷に来る」


「どうします? 」


 アオイが聞いた。


「爆薬は、一応準備してあるんだな」


 俺がムラサキに聞いた。


「大丈夫です。かなり準備してあります。」


「カザンザキスさんの屋敷に一直線で来てるのは間違いないのか? 」


「間違いない」


 アポリトが断言した。


「じゃあ、この屋敷に海から一直線に上がるコースにアサナトの連中に頼んで、爆薬の樽を埋めさせておいてくれ。リヴァイアサンが陸から上がって来たところで、恐らく奴の苦手な陸で潰す。あっ、爆薬の上にはとがった例の金属の破片を並べといてくれよ。轟天(ごうてん)で火薬を爆発させて、一気に潰してやる」


「わかりました」


 ムラサキが、周りにいたアサナトの連中と部屋の外に出ていった。


「後、シーサーペント達はリヴァイアサンとは戦わないで、奴を誘い出すだけにしてくれ。ぼっちな俺について来てくれたやさしい奴らだからな」


 俺がアオイに言うとアオイが頷いた。


「分かるな。その気持ち」


 アポリトが涙ぐむ。


 俺の義兄弟は本当に良い奴だ。


「まて、空からもくるぞ! 百以上だ! 」


 アポリトが叫んだ


「え? 空も? 」 


「こっちはワイバーンです。 例の高空から見てた女ですね。こっちに向かって来ます」


 アオイが断言した。


「そうか。これがヤマトの返事か。面白い! 滅ぼしてやる! 」


 俺が立ち上がって叫んだ。


「そろそろ、リヴァイアサンが上陸してくるぞ! 」


「分かった。まずはそちらが先だな。行ってくる」


「待ってください」


 アオイが近づいて来て、俺にキスした。


 おおおおお、これが勝って来てくださいねって奴か?


 ファーストキスが今ここに!


 と言いつつ、亡くなった親父が俺が三歳くらいのガキの時に、俺の事可愛がり過ぎたおかけで、千回くらいキスしたらしいのだが、あれはノーカウントにしてる。


「ちっ、兄弟、妬けるな」


 アポリトが笑った。


「力をお借りしますね」


 アオイが変な事を言う。


 え?


 そこはこの戦いが終わったら結婚しましょうとか。


 あ、これ死亡フラグだ。


 いかんいかん。


「ワイバーンの方は任せてください。これで宅配便の件もなんとかなりますね」


 すんごい良い笑顔で言われたが、宅配便?


 なんのこと?


 わけわかんね。


 とりあえず、屋敷の外の浜辺にリヴァイアサンが上陸してきたようで、騒がしくなってきたから、急いで部屋を出た。


 屋敷を飛び出ると、まさに、リヴァイアサンが浜から上陸してこちらに向かって来てる。


 轟天(ごうてん)を抜いた。


「最強と言われてるにしても、良く一匹でここに来た! 褒めてやる! 構えええ! 」


 言いながら轟天(ごうてん)を構えると刃に炎が現われた。


 その時、見た。


 リヴァイアサンの身体が何か地面でかなりこすれたのかボロボロだった。


 なんで、こんなにボロボロなんだ。


 リヴァイアサンがこちらにうるうるとした目を向けた。


 あれ?


 たった一匹?


 あれ?


 それでポロポロ?


 何、このデジャブ?


「お、お前……まさか……そんな、ぼっちなのか? 」


 リヴァイアサンがうるうるとした目でこっちをじっと見る。


「間違いない。こいつもぼっちだ」


 俺を手伝いに来たアポリトが俺の肩に手を置いた。


「止め……」


 刀を構えるのをやめて、轟天(ごうてん)を鞘にしまった。


「ぼっちは、俺には殺せないよ」


 俺が呟いた。

 

 アポリトがうんうんと頷いた。


 リヴァイアサンがうるうるとした目で涙を流しながら近づいてきた。


 俺達は抱きしめあった。


 勿論、リヴァイアサンは無茶苦茶でかいので、俺とアポリトはリヴァイアサンにしがみついてるだけだが。


 そうして、新しい義兄弟が出来たのだ。


 リヴァイアサンだ。


 ちょうど名前にもさんがついてるし。


 もういいよ、人間扱いで。


 後に、この新しい義兄弟は俺の会社のマスコットになるのであった。



 

  




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