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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第二十四部 第十二章 人魚姫

「何だよ。人魚姫って」


「メッテとか言う名前だったと思う。元々魚とか海の生物を操れる異能だったんだけど、どこで間違ったかメンヘラが入って、自分を人魚姫とか言い出して……」


 (れん)が答えた。


「私はディズ〇ー映画見て自己同化したとか聞いたが? 」


 (れい)が首を傾げた。


 確か定説では、人魚姫は失恋したアンデルセンの自己投影だったような気が……。


「あれ、確か、関わっちゃいけない人って有名だったと思うんだけど」 


 紅葉(もみじ)も堅い顔してる。

 

「と・お・さ・ん」


 ミツキの声が怖い。


 親父が土気色のまま、びくりとした。


「あれ、まさか、婚約者じゃないよね」


 ミツキの声が冷たい。


「……<終末(おわり)の子>と人魚姫って童話みたいだなって言われたんだよ」


 親父の首がきぎぃっとこちらを向いた。


 俺の頬を涙が流れて行きます。


「馬鹿なの? 」


 ミツキが呆れた顔をした。

 

 いきなり、船の周りに血が拡がる。


「まずい。バラクーダと鮫を操って、シーサーペントが攻撃されてる」


 アオイが叫んだ。


「ええっ」


 甲板から海を見ると血が拡がってる。


「シーサーペントは逃がしてくれ! リヴァイアは? 」


「リヴァイアは堅い鱗で守られてるから大丈夫だけど、シーサーペントはまずいです」


 アオイが答えた。


「これで、早く逃げれなくなったね」


 ミツキが焦ってる。


 いや、俺も焦ってるんだが。


「ち、ちょっと、両手を拡げて、こっちに向かって来てるんだけど」


 ミヤビ王女が怯えてる。


 見てみたら、本当だ。


 しかも、顔がキスするような顔してる。


 勘弁してください。


 どう見てもババアにしか見えない。


「って……おい……いくつなんだよ」


 俺が悲鳴のように叫んだ。


「三十後半……いや、四十後半かな? 」


 クニヒト大佐が横で冷静に人魚姫を見てる。


「ちょっと、親父、あの人、いくつなの? 」


 俺が焦りまくって聞いた。


「いや、二十後半って聞いたんだが……」


「見えないんだけど」


 白人だから老けて見えるんだろうけど、ちょっと老け過ぎじゃね?


「え? でも、四十過ぎって聞いたけど」


 (れい)が驚いた。


「は? 」


「四十いってると思うよ。五十って話もある」


 (れん)も答えた。


「え? 」


「私も、そのくらいって聞いた」


 紅葉(もみじ)が言った。


「親父! 相手の年くらい確認しといてくれよ! 」


「だって、人魚姫って言うから、姫の年齢かと思ったし……」


「もう、すっごい迷惑なんだけど。本当に迷惑なんだけど」


 カガが親父にあてつけるような顔をした。


「馬鹿馬鹿しい。これで終わりじゃ! 」 


 龍女(りゅうじょ)さんが手をかざして、人魚姫に向けて爆発させたが、これまた鮫や魚が跳ねてかわりに受け止めた。


 魚の死骸があちこちに飛び散って散乱した。


「地獄絵図だな」


 カルロス一世の顔も引き攣ってる。


 いきなり船が揺れた。


「な、何? 」


 俺が聞いた。


「凄い大型の鮫が体当たりしてる」


 アオイが答えた。


 やばい、船が沈んだら終わりだ。


 なんで、こんな目に会うのか。


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