第二十四部 第七章 策略
カガのアオイ達に対する説明が終わった。
ぶっちゃけ、親父に話した話と同じだが、お蔭で許嫁達の雰囲気が和らいだ。
「そういう訳だったんですか」
アオイが納得したように皆と一緒に頷いた。
「あれ、でも、私達、結構、王宮の貴賓室に私物を置いたままになってるよね」
ちょっと、困ったように深雪が聞いた。
「ああ、私の方から連絡しておきます」
レイナさんが答えた。
「しっかし、めんどくさい事になったね」
アンナも頭をかいた。
「とりあえず、こないだ君達が無茶苦茶やって、今は人が少ないエーデルハイトの方に逃げて、様子を見て各個撃破していくしかないと思うんだが」
「え? 各個撃破って、戦うの? 」
「だって、戦わないと終わらないでしょ」
「ええ? もっと良い手は無いかな」
俺が首を傾げた。
「ほう、良い手とは? 」
カルロス一世が聞いてくる。
「とりあえず、和真と親父を使って、和馬を俺だと相手に勘違いさせるのはどうだろう。そして、和真を身代わりに使ったらどうだろうか? 」
俺が皆を見回して聞いた。
「なるほどな。俺がそばにいれば、和真をお前と勘違いする奴もいるかもしれんな」
親父が頷いた。
「少なくともアマゾネスの主とやらは、俺の顔を知らないと思うんだが」
「むう。それは検討の余地があるかも」
カルロス一世も頷いた。
「き、君達、糞だね」
カガが呆れたような顔をした。
「なんか、カルロス一世さんが段々、うちの旦那さんに性格が似て来てるような気がするんですけど」
ミヤビ王女も頭を抱えた。
カルロス一世が心当たりがあったのか、その場に蹲って動かなくなった。
「そう言う感じで、国王とかに俺は偽救世主をやらされたんだが」
クニヒト大佐が厭味ったらしい顔をした。
「いや、それはとりあえず置いといてだな」
俺が物を横に置く仕草で言った。
「ちょっと、それお父さんを思い出すから止めてくれます? 」
アンナが赤くなった。
「ええ、結構、気に入ってるのに」
俺が愚痴った。
「あああ、ちょっと遅かったかな? 」
カガが向こうの方をを見て言った。
ズズンと信じられない重い爆発音がする。
何でしょう?
とりあえず、皆で船内を出て甲板に走る。
すでにヤマトは遥か向こうなのだが、ヤマトの方で爆炎が上がってる。
「な、何これ? 」
「港の方だね。威嚇で爆弾使ったみたいだけど。港が消し飛んじゃってるよね」
カガが苦笑した。
「君の婚約者のようだ。君を出さないとヤマトを灰にするって言ってる」
「ええええ? どうすんのよ? 」
俺が困惑した。
「なんか、困ったな」
親父が呟いた。
「困ったなじゃないだろ! 」
、
俺が親父に怒りをぶつけた。
「まあまあ、落ち着けよ」
落ち着いている場合じゃ無いような気もするが。