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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第三部 第八章 檄文

「え? 返事これなの? 」

 

 ヤマトの国王が最高幹部の会議室で固まってる。


 物凄く豪奢な円形の大きな机に国王と宰相とイジュウイン大公、サイトウ公爵とミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵という、そうそうたる面子が座っている。


 さらに、特別にミヤビ王女とクニヒト少佐とヨシアキ中佐とムラカミ兄弟も参加して座っていた。


 パトリダからの返書には、このまま見て見ぬふりをしない限りは檄文をばら撒くと書いてあり、檄文が同封されていた。


 その檄文には今までの経緯と引きこもりのぼっちにさせられた事から始まって、最後の帆船で掃除用具部屋でくっさい毛布で床に寝させられた事や、ご飯に残り物のスープをぶっ掛けたまま犬の餌みたいに皿で出されたりのくだりが書いてある。


「え? 本当にこんな事したの? 」


「いや、その、大佐とはちょっと話にくくて、最後の帆船では、大佐にあまり近寄らなかったもんで、そんな扱いとは……」


 ヨシアキ中佐がしどろもどろで答える。


「書いてる事が小さいと言えば小さいんですが、やばいですね」


 サイトウ公爵が困っている。


「いや、本当にやったの? いや、本当はコンチュエから逃げただけなんだろうけど、モンスターは一応誘導してるしコンチュエじゃ、彼、英雄だよ? 」


 宰相がかなり焦ってる。


「本当に地味だけど、痛いとこ突いて来ますな」


 スギモト公爵が苦い顔をした。


「これ、出されたら、彼じゃなくてヤマトがぼっちになりますな」

 

 イジュウイン大公が自嘲の笑みを浮かべた。


「いや、笑いごとじゃないわ。あいつに勝てる? 勝てると思う? 」


 国王の問いに全員が首を振る。


「無理ですね。シーサーペントもいるし、海賊もいるし、絶対、海で仕掛けてくるし。勝ち目無いですな」


 ミヤタ公爵が思案深げな顔をしている。


「お前らはどう思う? 」


 ミヤビ王女とクニヒト少佐とヨシアキ中佐に国王が聞いた。


 三人とも項垂れている。


「いや、アレクシアの後、ヤマトの皆が酷かったのは確かだし、私もあまり庇えなかったから、同罪だ。

逆に一番近かったお前達から、どう思うか聞きたい」


 国王が再度聞いた。


「……多分、戦争する前にもっとえぐい事してくると思います。さらに言うと、すでに動いてるかも」


 ミヤビ王女がおずおずと答えた。


「戦勘が凄いですからね。正直、やばいと思います」

 

 ヨシアキ中佐が答えた。


「もうやってんじゃないかと」


 クニヒト少佐が答えた。


「やばいな。やばすぎるじゃないか。とりあえず、こちらから詫びて救世主の件は後日考えるとするか。早速、お詫びと贈り物でもしよう。金もたっぷりとだな……」


 途中で宰相が遮った。


「いや、それがですね。アオイからも手紙が来て、仮面の女が監視してる件ばれてるみたいで……」


「え? マジで? 」


「それで、今度監視してきたら、戦争するって書いてきてます」


「マジか! 」


 国王が絶望的な顔をする。


「それでですね。こないだ言ってましたよね。戦闘進化させるために、もう一度だけ仕掛けるって」


「そう言えば言ってたね」


 国王が真っ青な顔になった。


「と、とにかく連絡して止めてくれ! まずい! 本当にまずい! 」


 国王が慌てて、宰相に命令した。


「あの子もやる子だからな。まずいぞ。本当にまずい」


 国王が真っ青になって頭を抱えた。









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