第二十三部 第八章 アマゾネスさんいらっしゃい
「分かりました。そういう事ならそうだと思いましょう。しかし、貴方は女媧様を裏切ったのか? 彼らと一緒にいるなんて」
ウィリアム少佐が親父に向って詰問した。
「……たまたま会っただけだ」
親父が答えた。
言い訳下手っ!
「たまたま会うわけ無いでしょう」
「いや、本当にたまたまだったんだよ。俺が懇意にしてた料亭に隠れてたら、隣の部屋で宴会やっててな」
「え? 懇意にしてたの? 」
ミツキが聞いた。
「ああ、あそこ、飯旨いだろ。それとガキの頃一緒にいた奴が経営してんだ」
親父が笑った。
へー、そりゃ知らなかった。
結構、親父も口が肥えてるからな。
俺も、又、食べにいこう。
「貴方には、女媧様から捜索命令が出てますよ」
雛が親父に厳しい目をした。
「ああ、ちょっと、それな? 」
親父が見る間に動揺を始める。
まあ、母ちゃん、無茶苦茶怖いからな。
「いつもの、説教じゃないの? 」
ミツキが横で笑った。
「は? お前に何が分かる」
雛がミツキにむっとして答えた。
「だって、娘だし」
ミツキが笑って答えた。
「え? 女媧様の娘? 」
俺の事は知ってたけど、ミツキの事は知らなかったみたいだ。
あまり、母さんも身内の話はしたがらないらしいしな。
「うん。親父のも、いつもの正座三日間でしょ」
ミツキが親父ににやっと笑って答えた。
あれ、簡単に言うけど、飯無しで寝ずに正座だからな。
「へー、お父様が三日間正座できるなら、十時間程度で済ましてた、私達は甘かったんですかね? 」
アオイが笑顔で俺を見た。
何と言う藪蛇。
「かはっ! 」
心にダメージを受けて跪いた。
心臓に悪い。
「立てこみ中すまんが、このままではアマゾネスが逃げてしまう」
国王がかなり焦ってる。
「何故、彼女達はこちらに攻め込んで来ないんだろう」
宰相が不思議そうだ。
「いっそ、ウェルカムの看板を出して見たらどうです。おもてなしと言う事で」
イジュウイン大公が提案した。
「それだ! 」
国王がそう言ったので、そこにいる兵士達が全力で、看板や旗の材料を集めて作り始めた
皆も、伝統芸の触手エロが見たくてしょうがないらしい。
信じられないくらい素早い手際の良さで看板や旗を作っていくとそれを並べて、いらっしゃいませを大声で連呼した。
しかし、アマゾネスの船は逆に沖に離れていく。
「なぜだ! 」
宰相が焦って叫んだ。
「いや、普通、ここまでおもてなしとかやられたら不安で逃げるでしょ」
元アマゾネスの許嫁のマリナが呆れてる。
「仕方ないね。ここはやるしか無いでしょう」
俺が国王や宰相や兵士達を見回した。
「はーい! 俺が<終末の子>でーーす! 」
前に進み出ると笑顔で全力で叫んだ。
だが、彼らは寄ってこない。
何故なんだ。
「いや、あからさま過ぎておかしいでしょ」
マリナが頭を抱えた。
「罠に見えるよね」
麗も呆れてる。
「おーい! 二重人格の<終末の子>でーす! 」
ドンドン、アマゾネスの船が遠くなっていく。
「なぜだ! 二重人格なんだぞ! 」
俺が必死になって叫んだ。
「それ、ただの危ない人じゃね? 」
ヨシアキ大佐も酷い呆れ顔だ。
「よっぽど二重人格が気に入ったんだな」
国王が哀れを誘うような目で俺を見た。
こんな、馬鹿な!
もう一つの書き始めてるんですけど、いろいろと忙しくなりまして、ちょっと時間がかかりそうです。
後、いつも、読んでいただいて、ありがとうございます。




