第二十三部 第四章 ホアン再び
結局、俺とアオイ達許嫁全員とカルロス一世と樹老人と国王と宰相とイジュウイン大公とイジュウイン大公の中央軍の兵士が千人とヨシアキ大佐と配下の俺への護衛兵がついていく事になった。
で、皆で俺がこないだ戦った、穴の跡が海になった所に行ったら、ちょうど俺を見つけて海から上がってくるホアンがいた。
銛で突かれて、やむを得ず切り離したタコの足は元に戻っていた。
まあ、本物のタコなら時間がかかるのだろうが、神族の細胞だからか流石に早い。
それで、何だか知らないけど、ホアンと俺が見つめ合う。
「アマゾネスは? 」
「いや、今、いないけど」
「そうか」
ホアンが静かに海に戻っていく。
「ど、どなた? 」
国王が驚いて聞く。
「いや、前は敵だったけど、今は男の夢を体現する勇者として尊敬してる人だ」
俺が笑顔で答えた。
「足、タコじゃね? 」
宰相が唖然として俺に聞く。
「神族の細胞を使った生物兵器なんだそうな」
「と、すると向こうの世界の戦士か」
「ええ、何か、ヤマトの伝統芸の触手エロを体現しているとの事で」
カルロス一世が説明した。
「「「な、何だと? 」」」
国王と宰相とイジュウイン大公が衝撃を受けた。
「ユウキ、彼をおもてなしせねば」
国王が必死だ。
「そのとおりだ。男の夢を体現するとは言い得て妙な話だ。まさか、あちらの世界にいた時の夢を現実で見れるとは」
宰相も興奮している。
「なんという事だ。あれがリアルで見れるなんて」
イジュウイン大公がむせび泣いてる。
「ねぇ、アホなの? 」
ミツキが凄い顔だ。
「まあ、男のロマンだし」
「どういう事でしょうか」
アオイがメスカマキリの目になって俺を見る。
次々と許嫁達がメスカマキリの目に変わっていく。
怖いよ。
「まあ、待ってくれ、ユウキは巻き込まないから」
宰相が笑った。
「あの、伝統芸を是非義弟のカルロス一世に見せてあげたい」
国王が目をキラキラさせる。
キョウカさんとかユイナとかミオとか頭を抱えてる。
俺を巻き込まないと言うのが辛い。
俺だって、あの伝統芸を見たかった。
触手エロ。
まさに、厨二の華ではないか。
などと思ってたら、アオイが俺の目を覗き込んだ。
何か、心を読まれてるような気がして怖い。
「とりあえず、彼を止めてくれ」
国王が俺の手をがっしりと握った。
「ちょっと、ホアンさん。この国の国王がお話があるそうなんで」
俺がそう呼びかけたら、ホアンが戻って来た。
と言う事でホアンを国賓として受け入れる事になった。
「アホの国や」
樹老人が横で呟いた。