全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十八部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 戦え 第六章
「なんでそうなるんですか? 」
禊さんが冷ややかに言い放つ。
切れておられるようだ。
でも、現実なんて、そんなものだし。
ただの人間だから、戦えないよ
神と悪魔の戦いじゃなくて、創造主と創造主の戦いなんて創造を超えている。
そう言えば、日本は八百万の神がいらっしゃる、一人だけのゴッドでは無いと言っている人がいたけど、日本屈指の霊能者で宗教家の出口王仁三郎が、日本の八百万の神々とかゴッドの世界だと天使に当たると発言していた。
「いや、何を言っているの? 」
などと俺がしゃべっているので、一条和馬が突っ込んできた。
「単純に、もう俺たちいる世界とは違い過ぎる世界の戦いで見ているしかないと言う話をしたかっただけで……」
「まあ、それは変わらんわな。俺も人間だし。血脈に神の血があるから特殊な能力とか聖樹装兵が着れるだけで……。まあ、特殊な能力というのもある意味生きるために習得したようなもんだ」
などと一条和馬が悲しそうな顔をした。
きっと、頑丈な構造を見つけることや、それに向かって安全な移動をする話の事を言っているんだと思う。
でも、あれはあれで、あれが無かったら皆が死んでいると考えれば、素晴らしい力だと思う。
究極的にこんな糞みたいな戦場に俺達は最前線でいるが、誰も守ってくれるわけではなく、そういうことを潜り抜けた結果で身に着けた力というのは何よりも凄いのではと。
「私もそう思いますよ。普通、こんな最前線に俺たちのような人間を出して、何の意味があるのかと……」
そう涼月東も深く同意した。
いくら何でも無茶ぶりだろと。
神や悪魔を超えて、創造主ですから。
アリ以下のミジンコが必死になってあがいているようなもんだ。
そう、俺がしゃべったせいで、神無月涼さんや叢雲さんが深く同意してくれた。
「俺もその通りだと思うぞ」
「俺も同感だ」
などと御堂祐樹と修二さんまで深く同意する始末。
いや、貴方達は違うよねと突っ込みたくなる。
混沌の女神という創造主の世界の主宰者の後継者と創造主なのではと?
「ふふふふふ、単なる盾の人です」
「俺は世界から逃げるんだ。逃げ続けているだけさ」
などと意味不明の話をしていると言う。
「あああああああ! 救いが無いやぁぁぁぁぁぁぁ! 」
この現実に俺がたまり切ったストレスから叫ぶ。
ようやっと全ての謎が解けてきて終わりそうになっているのに、この人たちのせいで終わらない。
延々と盾だけするし、敵から逃げるから、いつまでもいつまでも巻き込まれて、俺たちは延々と地獄に引っ張られている!
おかしいんじゃないか?
貴方達が戦わないと、誰が戦うんだろうか?
元凶の人なんて、他人事だし!
いや、それは俺が戦ってけりをつけてくるよとか言うべきなんじゃないのか?
単なる人間を巻き込んで悪かったと言うべきじゃないのか!
俺は文月家の当主の後継者なのに、変な呪いを貰って、何もかもが無くなって機密を喋るから殺されるかもしれないのにぃぃぃ!
これだけ失うものがある状況になって、なんで、延々と元凶の方達が戦わない選択の話になるんだぁぁぁ!
あんたたちは戦わないと駄目なのではないか?
そうでないと全然終わらないんですけどぉぉぉ!
俺なんか、もう帰る場所も無いのにぃぃぃ!
それでも終わらないと帰れないしいぃぃ!
「ど、どうしたの? 」
神無月涼さんが心配そうに涼月東に俺のことを聞いている。
いや、ブチ切れるでしょ!
一応、俺達からするとヒーローみたいな力を持っていいるのに、ずっと逃げる話ばっかりだしぃぃ!
「つまり、そういう器じゃないって事だよ」
「そうそう」
などと御堂祐樹と修二さんがさわやかな笑顔で話す。
ふんぎぃぃぃいいぃぃいいぃぃぃぃぃぃぃいいぃぃぃぃぃぃぃ!
なんでこうなるんだ!
「まあ、気持ちはわかるけど、ストレスたまってんな」
「終わらないからな。義兄弟は敵が隙でも見せないと戦わないから」
などと心の師匠のカルロス一世とかアポリトさんがうんうんと頷いていた。
 




