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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十七部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 赤子の光の混沌の女神様 第四章

「もっとまともな対策が欲しいんだが? 」


 御堂祐樹が叫ぶ。


 確かに、これは酷い。


 ずっと盾をやってろと言うに等しいからだ。


「もう少し、まともな解決方法は無いんですか? 」


 (みそぎ)さんも呆れて話す。


「あるんだ。実は……」


 そう修二さんが真顔で話す。


「あるのか? 」


「マジで? 」


 などと皆が驚く。


 だが、絶対に碌なものでは無いという予感もあって、皆の目はみんな懐疑的だ。


「特級呪物だぞ? それも普通ではない」


 などと修二さんが真剣だ。


「本当か? 」


 御堂祐樹は今までの経験から訝し気な顔は止めなかった。


『そんな便利なものがあるんですか? 』


 などと光の混沌の女神様の赤ちゃんがテレパスで訝しむ。


 今までの行動が行動だから誰もが怪しんでいた。


「伊達に東方の邪悪な大魔神と呼ばれていませんよ」


 などと修二さんがにやりと笑う。


 自覚してたんだ。


 それでも今までが今までなんで、皆が信用しない。


「そこまで言うなら、見せてもらおうか……」


 などと御堂祐樹が冷ややかに修二さんを見た。


「ふふふふ、良いのか? どれほど恐ろしいものか分かっていないようだが……」


 などと勿体ぶっている。


「ああ、こりゃ大したもんじゃねぇな」


「確かに」


 などと心の師匠のカルロス一世とアポリトさんが過去の経験から、もう結論付けていた。


「見せてみろよ」


 それで御堂祐樹も不機嫌そうだ。


「良かろう」


 などと勿体ぶった割には単なる何かの紙を出した。


 それには鎧にあった魔法陣も描かれているわけではなく、本当の役所とかに出すような届け出用紙のように見えた。


「全然、やばさとか感じませんけど」


 などと一言多い涼月東が呆れたように呟いた。


 だが、それは違っていた。


「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃあああああああああああああああああああ!! 」


 御堂祐樹がその届け出用紙のようなものを見て発狂したのだ。

 

 そして、その届け出用紙のようなものを修二さんから奪うと、裂いて裂いてバラバラにして最後は丸め込んで食べた。


「何だ? 」


「何があったんだ? 」


 などと心の師匠のカルロス一世達が驚いた顔で御堂祐樹の行動を見た。


「な、なんて、恐ろしいものをっ! 」


 御堂祐樹が修二さんの胸倉を掴んでゆさゆさした。

  

「いや、解決策ってこれしかないじゃん! 」


「ふざけんな! ふざけんな! 余計に血の雨が降るだろうがっ! 」


「そうか? 」


 などと御堂祐樹がブチ切れているが修二さんは笑ったまんまだ。


「親父のあんたが適当だから、俺もこんな人生になってしまうんだ! いい加減にしろや! 」


「一人増えるだけじゃん! 」


「そんな簡単に行くかっ! 馬鹿じゃないの? 馬鹿じゃないの? 」


 一体、何を言っているのか分からなかった。


 だが、何だろう。


 俺は何かしてはいけない事を修二さんがしたような気がした。


「こ、これは……」


 涼月東もその気配を感じて、震えた。


 何というか、空気が初めてピリッとしたのだ。


 あの心の師匠のカルロス一世が徐々に向こうにフェードアウトしていく。


 この計り知れない危機を察知したのだろう。


 間違いなく、悪手をしようとしたのだ、このおっさん……東方の邪悪な大悪魔は……。


 今までの獅子の軍団の仲間的意識が消えていく。


 そして、恐ろしい獰猛な殺気が満ち溢れる。


 御堂祐樹は発狂しそうな顔で動揺していたが、それでも百戦錬磨の男だけはある。


 急いで、修二さんが出した特殊な鎧を着て、盾を持って構えた。


 それはまわりに対してであった。


『何なんです? 何をしたのです? 』


 それで光の混沌の女神様の赤ちゃんが動揺してテレパスで聞いた。


「いやいや、単なる俺達の世界の婚姻届けですよ」


 などと修二さんが罪もない笑いで話す。


 瞬間に空気が凍った。


 離れに離れた心の師匠のカルロス一世が向こうで凄い勢いで穴を掘って飛び込んだ。


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