全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十七部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 赤子の光の混沌の女神様 第二章
「まあ、それは落ち着いて後で考えるとして、まずはオムツをつけなければ……」
などと修二さんがシートを地面に敷いて、座布団みたいな大きさの簡易の布団を置いて、そこに紙おむつとか準備していた。
『私はお前の母親みたいなものだぞ? 』
「だから、介護と同じですよ」
などと話が合わないような話を延々と光の混沌の女神様の赤ちゃんと修二さんがテレパスと言葉で話し合っていた。
ああ、なるほど、変態かな? とか思ってたけど、老母の介護と言う事なら普通なのか。
そういう意味では主夫をしていたと言うのはメリットかも知れない。
「んな、訳無いじゃん」
「その主夫業の結果がこの世界の破綻の一つの大きな要因だろ? 」
などと喋っている私に心の師匠のカルロス一世がと祝融さんがキツイ口調で非難する。
「まあ、そういう失敗を繰り返してみんな成長していくんだよ」
などと修二さんが微笑んだ。
何というポジティブ。
「失敗に反省がないのに、成長するんですかね? 」
そう涼月東が一言多いせいで突っ込んだ。
「いや、俺はたとえドブの中でも前のめりにおむつを替えていたい」
などと修二さんが意味不明の坂本龍馬の言葉と言われるフレーズで話す。
ちなみに、それは司馬遼太郎の小説の言葉でなくて、梶原一騎の創作らしいのだが。
司馬遼太郎も小説の作り話が事実のように言われるので有名な作家なんで、どうなのかなと思うけど。
「三国志演義と陳寿の三国志と違うのと同じですよね。ああいうのはしょうがないと思いますよ」
「まあ、そうかもな。『板垣死すとも自由は死せず』と言ったはずの言葉が実は『痛い』と言う言葉だけだったと言うのはロマンが無いし」
「単なる女神様のおむつを替えたい、変態の姿にしか私には見えませんけど」
禊さんが修二さんに光の混沌の女神様の赤ちゃんを渡すまいと抱きしめながら厳しい目で威嚇していた。
「そう言えば変態と言えば、一回目の世界でトップクラスの実業家として名を成したファウロス君はアナ〇オナニーなだけで終わってしまうのかな? 」
などと修二さんが異様な話をしだす。
「いや、まあ、その話はそこまで行ってないから」
「かわいそうだから、黙ってやってて欲しい。今もエヘクトルと言う海賊の頭領をやっているから」
などと心の師匠のカルロス一世とアポリトさんが必死に話を止めようとしていた。
一応、俺達はその人に会った事あるんですが……。
「そこまで出世するんですね。小悪党って感じでしたけど」
などと涼月東が呟いた。
「いや、小悪党だからこそ、のちに吸血鬼とゾンビのハーフになって、ゾンビを従業員にして、ただで働かせて巨万の富を得るんだぞ? 彼はアナ〇オナニーをばらされてもへこたれなかった。そして、前を見ていたからこそ成功するのだ」
「どんどんどんどんと変態の話に突っ走っているんですが! そんな事を話す人に光の混沌の女神様を渡すわけにはいきません! 」
などと禊さんが激高していた。
まあ、一歩間違えれば変態になってたような人に渡すようなものだし。
「いや、正真正銘の変態だぞ? 」
「変態は変態でしょ」
などと心の師匠のカルロス一世などの話が救いがない。
どんな主夫をしていたんだろうか?
「育った子供達を見れば分かるではないか」
祝融さんの悲しい言葉があまりにも心に刺さる。
そうだ、御堂祐樹も御堂美月も同じように修二さんに育てられた子供だった。
「ふふふふふ、失敗は成功のマザー。何度でも何度でも繰り返す事で成功へ向かうのさ」
「世界が先に持たないわ! 」
「いや、自分には無理だと言う直視こそ必要だと思うぞ! 」
皆の意見が辛い。
だが、流石の修二さんは聞いちゃいない。
「……と言う事で、光の混沌の女神様の赤ちゃんをここへ」
そう座布団みたいな縦長の小さな布団をポンポンとたたいて禊さんに見せる修二さんだった。
流石だ。
全然懲りていない。