第二十二部 第七章 魔人
窓の外を見てると、ゾンビとは違う風化した感じの人間が王宮に向って歩いてきてる。
俺が聖樹装兵のライフルで次々と撃つと全部燃え出す。
「おお、上手くなったじゃないか」
カルロス一世が横で笑った。
「ダグダ師匠について練習しましたからね」
「前だったら、当たらずに威力で潰してた感じだったもんなぁ」
「と言うか、ちょっと燃えすぎじゃない? 」
ミツキが聖樹装兵で撃ちながら横で不安そうだ。
「まさか、このまま街を焼く気なんじゃ」
「えええええ? また、俺の評判が悪くなるのかよ」
俺がショックを受ける。
すでに聖樹装兵は蹲って低い姿勢で撃ってるから、ショックで蹲りようが無いんだけど。
「ふむ。つまり。王太子としてヤマトを再建して皆を見返せば良いと思うぞ」
って横に国王がいる。
「いや、逃げたんじゃないの? 」
「すまん。ちょろちょろ抜け出して、ここに来るんだ」
ヨシアキ大佐が息を切らして迎えに来た。
「義兄殿は、やはり国王として敵から逃げる訳にはいけないと言う事ですな」
カルロス一世が国王を褒めた。
「いや、逃げるよ。チョッカイ出しに来ただけ」
国王がそう言ったら、カルロス一世が絶句した。
「叔父さん、夢見たら駄目だって」
俺が言ったら、呆れたように頷いた。
「それにしても、君らも逃げないと」
着装出来ない、キョウカさんとかだけでなく、深雪やさくらまでいる。
「とりあえず、私がもう一隻強襲型の蒼穹船を呼んだから、そっちに連れてくわ」
燐女さんが言った。
「本当に一杯あるんだな」
「そりゃそうよ。一応、先陣はうちの麒麟族が受ける約束で、眠ったしね」
「ほう、そうなのか? 」
龍女さんが驚いた。
「だって、そう言わないと、龍族の人の反対が凄かったから」
燐女さんが困ったように言ったが、仇名がデストロイヤーだもんな。
そりゃ、無理ないわ。
「あの穴を何とかしないときりが無いんじゃないか? 」
麗が呟いた。
麗もドラゴン型の聖樹装兵を着装している。
反対に驚いたのが、マリナだ。
向こうの世界の説明お兄さんが着てた狼型とか言う感じの白銀の機体で、独特の毛皮では無いんだけど、毛皮の様に見える装甲をしている聖樹装兵を着装していた。
いろいろな種類があるんだな。
「とりあえず、穴の近辺まで行きますか」
レイナさんもどうなったか不安だし。
「ああぁあぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」
聞いたら寒気がするような絶叫が穴の方から響き渡る。
身を悶えて震わせるような叫び声だ。
穴の深い深い所から、辺りを震わすように響いた。
「ち、ちょっと」
ミツキの声が少し震えてる。
「え? ホラーなん? 」
冗談っぽく言ったものの、マジで怖いんですけどぉおぉ。
徹夜だ徹夜だ徹夜だよ〜ん。
ブックマークと評価をありがとうございます。
もう一つの方も書かないといけないのに、忙しくてしょぼ〜ん。