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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十六部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 最適解 第四章

「……夢も希望も無いように見える……」


「ええ? そんな馬鹿な結論ってある? 」


「いくら何でも悲しすぎる現実だな? 」


 心の師匠のカルロス一世や祝融さんやアポリトさんが呻く。


「現実の悲しさよ」


「いや、貴方が変な形で昔々に知恵なんか私の後継者の少女につけるからでしょ? 彼女がそれぞれの魂の欠片で弱肉強食を経験したから止めれなくなってしまった! 」


 他人事のように呟く修二さんに光の混沌の女神様の少女がキレる。


「義兄は自分のやった事は他人事だからな……」


 心の師匠のカルロス一世が呆れたように呟いた。


「ぶっちゃけ、義兄弟も変わら無い様な気がする」


 アポリトさんが最悪の懸念を話した。


「いいえ、私の後継者の魂を持つ少女達の愛と暴走が凄すぎて、御堂祐樹は逃げることが出来ません。今の姿を見てください。それでも彼は彼女達を救おうとボロボロになりながら耐えているのです。そして、そこまで耐えれるのは彼しかいません」


 そう光の混沌の女神様の少女が断言した。


 ん?


 俺が固まる。


 勿論、俺だけでなく、心の師匠のカルロス一世をはじめ全員が固まっていた。


 それって、単なる対症療法でしかないのでは? 


 御堂祐樹の犠牲で、混沌の女神様の後継者の少女の魂を持つもののコントロールをしろと?


 つまり、混沌の女神様の後継者の少女の魂を持つものは、他の人間でないと抑えれないと言う事か? 


「ええええ? 」


 神無月涼さんが呻く。


「なるほど、人柱か」


「いや、だから、自分のやった事に対する結果を貴方の息子が全部被っているんですよ! 」


「現実ってそんなもんですよ」


「だから、私は無垢のまま育てて、あまり現実的なものと触れさせないようにしてから教育しようと思ってたのに! 」


「すいません。世の中なんてそんなもんだって教えようと思いまして……」


「だから貴方は駄目なんです! 結局、生存競争の中で揉まれてきたら、他者の為に身を犠牲にすると言う心は身に付きません! 教育が大切だったんです! 知恵は教育を通してつけないと駄目なんです! 知恵を教育を通して知性として身につけることによって、はじめて人は他人の物を奪ったり殺したりしてはいけないって分かるんです! 知恵はあくまで生きるためのものであり、それを律する心が無いと! 」 


 光の混沌の女神様の少女がそう修二さんに教えるように話す。


 確かに、昔いた12月家の文月家の番頭さん的立場の方が、海外とかにいろいろ仕事で行ったりして、その時の話で言っていた。


 結局、教育とはモラルなのだ。


 貧困の世界では、他人から暴力で奪ったり生きる為に盗むことは当然の事として学ぶ。


 そうしないと生きていけないからだ。


 でも、それを続けるといつまでも社会は奪い奪われで変わらない。


 だから、教育ではモラルを教え込む。


 共同体として生きることを考えれば、人を殺さない傷つけない、人の物を盗まない。


 これを徹底するしかない。


 それは教育でしか学べない。


 もちろん、人類は長い事、それを宗教がやってきた。


 どの宗教も隣人への愛とかが根本にあるのだが、現実は宗教の対立も起きたりして難しいけど、それでもモラルと言うものを教え込まないと共同体としての社会が成り立たない。


 番頭さん的立場の人は、世界は貧しい人に物を与えるだけで救うだけなのでは駄目で、教育が必要だと良く言っていた。


「まあ、そういう事だよな」


「その通りだよ。海賊とかやってきたから、結局、卑怯で強い奴が勝つ世界のままだと、世界全体の技術も上がらないし、文化程度も上がらない。だから、衣食住がある程度出来たら、教育をするべきなんだ」


 祝融さんとアポリトさんがそう話す。


 だから、アポリトさんはその信念で一回目の時に大政治家になったのだ。


「まあ、理想論はそうですな」


 などと全ての元凶の修二さんがそう鼻で笑うように話す。


 いやいや、これが全ての原因か。



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