第二十二部 第六章 巨人
王宮から聖王が撤退した途端に何度も何度もワイバーンの火炎攻撃を受けた。
龍女さんが手をかざしてワイバーンに乗る騎士ごと吹き飛ばすと、まるで砂だったようにそれは崩れて消えた。
「厄介なのが飛びよる」
龍女さんが困惑してる。
「ミツキ、アオイ、あの開いてた穴の深い辺りに、リヴァイアの猛爆攻撃って行けるかな? 」
「ちょっと、精度が難しいんじゃない? 」
ミツキが不安そうだ。
「先ほどからリヴァイアは連続攻撃してますし疲れてると思うので、私もそう思います」
アオイも同意した。
「私がやってみよう」
ダグダ師匠が屈んだ形で聖樹装兵を着装させると対地対艦ライフルを出して、窓から穴を狙って発射した。
生体レーザーの太い奴が穴の中にうまく着弾して、穴から爆発音が聞こえる。
「これで、やられてるなら良いけど」
ダグダ師匠が呟いた。
「強襲型の蒼穹船を呼ぼうか? 」
燐女さんが提案してくれたのでお願いした。
「ああ、こりゃ駄目だね」
ダグダ師匠がため息ついた。
穴の中から、二十メートルくらいある巨大な人間が一体出てくる。
「あれが魔人? 」
「いや、神話の巨人族の成れの果てだと思う」
一体だけかと思えば、後からさらに二体出てきた。
「ああ、露払いかな」
国王が嫌な事を言った。
その一体が叫び声をあげた段階で、燐女さんの強襲型の蒼穹船のビームの連射を浴びて、炎で包まれて巨人が炎上する。
それを見た残りの二体が槍を持ち出して強襲型の蒼穹船に投げた。
アトラトルと言う突起のついた棒状の器具で投げられており、物凄いスピードで槍が飛ぶ。
一本が強襲型の蒼穹船脇の方に当たり、貫かれたせいか炎上する。
投槍をくらった強襲型の蒼穹船は炎上しながら回避運動に入った。
「あちゃー、これだとやりにくいなぁ」
燐女さんがため息ついた。
「何だあれ、ミサイルみたいなもんじゃん」
正直驚いた。
やはり、巨人が使うとなると迫力が違う。
轟天が使えれば良いけど、昼に使ったんで、まだ使えないし。
「サラマンダー型の自走型の聖樹装兵を降ろして、とりあえず陰から巨人を焼いてみる。火には弱いみたいだから」
燐女さんが俺に提案した。
「頼みます。にしても、厄介だな」
俺が言いながら、今度は同じような風化したドラゴンの巨大な奴が穴から出て来るのを見た。
「収拾がつかんな」
カルロス一世が愚痴った。
「とりあえず、聖樹装兵を着装して潰してくしかないですね」
俺が言うと聖樹装兵を着装した。
「ヨシアキ大佐はとりあえず、国王と宰相と大公と公爵達を避難させてください」
「分かった」
ヨシアキ大佐がてきぱきと部下に指示をはじめた。
「「「我が息子よ」」」
国王と宰相とイジュウイン大公が俺が彼らを避難させるように頼んだので、感極まったように言う。
「やっぱりいいや」
「「「なんでよ! 」」」
この面子はどうしょうもないな。
ため息が出る。
夜勤の仕事中に投下w