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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十四部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 死闘 第一章

 崩れ落ちていく中で、比較的安定している階層の場所をアポリトさんが選んで、祝融さんと心の師匠のカルロス一世のテレポートで移動する。


 心の師匠のカルロス一世はバリアだけでなくて、皆を連れてのテレポートも出来たのか。


 実は相当強いのは見ていて分かってたが、それ意外の能力も凄いとか。


 流石は心の師匠だ、侮れない。


 そして、アポリトさんの索敵能力を使っているとはいえ、上が崩れそうな場所も構造を把握して、なるべく大丈夫な階層の場所を見つけて安全な転移をさせるとか、一条和馬の経験から来るチートな能力も凄い。


 もし、彼がいなかったら、俺達は全部崩れた城に巻き込まれて潰されていただろう。


 自分達は安全だが、すぐ目の前の崩れた場所が幾重もの階層になっていて、まるで高層ビルの屋上から下をのぞき込むような風景が見えるのが怖い。


 地下は数限りなく階層が積み重なっており、深くてどこまであるのかわからない。


 しかも、いったん崩れたら、その重みが積み重なっていってドンドンと階層が深く深く崩れていくのだ。


 それに巻き込まれて轟音を起こしながら地上がさらに深く深く崩れていくので、本気で恐怖を感じる。


 本当に本当に生きて行けるかどうか分からない。


 そして、問題は無茶苦茶な攻撃をしているらしいフリヒリムスさん達との戦闘が想像以上の破壊をもたらしており、それが冗談に思えない規模だ。


 あの人たち、本気で戦闘馬鹿なんだなと。


 まるっきり、被害を考えないで戦っているらしい。


 それに比べれば、流石の獅子の軍団だ。


 地下が階層になっており、崩れやすいのを把握していると思うと言う一条和馬の経験から来る言葉が正しかったらしくて、階層にダメージが来るような攻撃は一切してなかった。


「あそこが無事だから、この程度で済んでいるんだ」


 そう一条和馬が獅子の軍団の戦っている当たりを指差して話す。


 フリヒリムスさん達の起こしている膨大な破壊は、無敵の鉄のゴーレムが参加してシンフォニーを奏でるように、崩壊が連鎖していく。


 そう言えばさっき、鉄のゴーレムが一体ほど深く深く奈落に落ちていっていた。


 頼むから、そこに落ちても無敵なんだろうから気にならないのかもしれないが、俺達は違うのだ。


 不死でも何でもないし。


 その破壊と崩壊を遠目で見て震える。


 10キロ以上先なのにどうなっているのか。


 崩壊が止まらない。


 かって、古い話だが建設の元請けをしていた友人の兄が、国道の工事をした時に、海から10キロ近いのに、漁師さんの陳情団が来て、音で魚が採れないと訴えてきた。


 それで、いやいや海はこんなに遠いのにそれは無いでしょうと断ったら、夜の間とかに工事現場の小屋とかに放火されたり嫌がらせが続いた。


 証拠は無いし山なんで当時は監視カメラとかも思いもせず、仕事に来るたびに工事のコーンとかが誰かに粉砕されている。


 仕方ないので、国からの予算をなんとかして、漁師の補償を出したとか。


 それがヤクザのみかじめ料より高かったらしい。


 それでヤクザは景気が悪いと、今回はこれでって減額も受けてくれるのに、漁師はびた一文も負けないんでやんのって苦笑していた。


 補償を出した途端に工事の邪魔が無くなり、誰がやってたかはまるわかりなのだが、泣き寝入りするしかないと言う話だった。


「いや、ちょこちょこ意味不明な話を混ぜてくるよな」


「あのあたり、修二さんに似てんだよな」


 などと、俺が思わぬ突っ込みを祝融さんとか神無月涼さんに言われた。


「それよりも、現実を見ろよ! 」


「いや、現実逃避です」


 一条和馬に怒鳴られるが、即座に返答した。

 

 こんな恐ろしい場所で生き抜くとか。


 真面目に来るんじゃなかった。


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