全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十一部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 先手 第六章
その時、突然、格納庫の外で戦闘が始まる。
「なんだ? 」
「混沌の女神様の配下が来たらしい」
エリンギさんがそう答えた。
「なんで? 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが驚いた。
「わからんけど、まつろわぬものとしたら、それは敵になるからな」
「いやいや、戦闘を止めろよ! 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんがエリンギさんに叫んだ。
『御堂祐樹様、いますか? カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスン様も! 助けてください! このままでは! 』
女の子らしい強力なテレパスが響き渡る。
「こ、これは? 」
「禊ちゃんじゃね? 」
修二さんがそう呟いた。
「ちょっと、戦闘を止めてくれ」
そう、御堂祐樹がエリンギさんに頼むと戦闘は終わった。
そして、格納庫へ入るための階段を転げ落ちるように禊さんが転がり込んでくる。
衣服はボロボロだ。
そして、余程急いできたらしくて、息が荒かった。
『助けてください! ミツキさんが! ミツキさんが! 』
禊さんが混乱したように叫び続ける。
「私が何? 」
御堂祐樹の横でイチャイチャしていたミツキさんが冷ややかに答えた。
「ひっ! そんな! ここにも? 」
などと禊さんが叫ぶ。
「ここにも? 」
「えええ? 」
御堂祐樹と修二さんが動揺した。
「それは別の奴だ。なにがあった? 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが叫んだ。
「ミツキさんじゃないの? そういえば雰囲気が違った。混沌の女神様の神殿に襲撃です」
「はあああああああああ? 」
「まさか、ツキヨ曾祖母とサヨ祖母もか? 」
「一人です! たった一人で! 」
御堂祐樹の言葉に禊さんが否定した。
「一人でって……一人だと? 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが驚いた。
「それなのに、近衛とかすでに壊滅状態で……。しかも、強い近衛の神が次々と吸収されて……まるで食べられているみたいに……」
「吸収? 」
「もう一人の奴だ」
「しまった。こっちにもう一人の俺が来たのは陽動かっ! 最初から狙いは混沌の女神様と言うことか! 」
「春雷様でも太刀打ちできそうになくて、幽閉されていた神子様を出して戦うつもりですが、どうも勝てそうにないんです。戦えば戦うほどこちらを吸収していくようにドンドン強くなっていくのです」
「そりゃ駄目だ。餌を与えるようなもんだ」
「まずい、光の混沌の女神様を殺すんじゃなくて、吸収するつもりか? 」
修二さんのうめき声に御堂祐樹が相当動揺していた。
「向こうの混沌の女神様の神殿に直接いける手段の為の呪具を持ってきました! 助けてくださいませ! 」
「いや、混沌の女神様の後継者の少女の魂を持つとはいえ、混沌の女神様を吸収できるものなのか? 」
「今は混沌の女神様も力は半分だからな。それだと無理ではないかもしれない」
修二さんが動揺して否定的なカエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんに話した。
「馬鹿な! 馬鹿な! そんな馬鹿な話が! こんな無茶苦茶な話があるのか? 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが絶望的に叫んだ。