全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十一部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 先手 第四章
「にしても、遅くない? ツキヨ曾祖母もサヨ曾祖母も……」
「こっちに当然戻ってくると思ったのになぁ」
ミヤビさんとユイナさんが不思議そうに格納庫の扉の方を見た。
「どの程度、混沌の女神様の後継者の少女の魂がばらけてあったかが問題だな。どれだけ散ったのか」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが呟いた。
「それは数限りなくだ。その中ででかいのを選んだつもりだったが……まだあったのかもな。大妃さんを見てるとさ」
修二さんがため息をついた。
「適当だな」
「仕方あるまい。必死だったのさ」
「初耳だが、混沌の女神様の側近がまつろわぬものを壊滅させるために動いた事があったのか? 」
「良く聞いているな。そうだ。だから、ツキヨ曾祖母もサヨ祖母もその時からの縁だ。まつろわぬもののを潰せば世界が良くなると思っている馬鹿がいたんだよ。この何もない世界に突然発生した創造主とまつろわぬものだから本来は同じものなのに、創造主になれなかった奴らとまつろわぬものとして軽蔑しているやつがな。そんな感じの奴は未だにいるだろ」
「確かにいるな」
「あらゆる創造物を創造することをしないで別の方向に進んだものが実はまつろわぬものなのだ。長い年月の間にそちらの方向の分野に特化されただけで、創造物が無いからというので軽蔑するのはおかしい。特に初期のころに出てきたものは創造主に匹敵するか超えるくらいの力を持っているものがいる。戦闘に特化した厄介なタイプもいるぐらいだ。ただ、その創造主たちの世界がある程度出来た時代にバタバタと創造主のなりそこないが大量に出て、それらは全部がまつろわぬものになった。それを見て軽く見るようになったのもある」
「そんな事も古くにはあったな」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが修二さんの言葉に頷いた。
「それは創造主として生まれる為の神の元素たるものが減ってきたからだ。それで混沌の女神様は少しでもまつろわぬものでなく創造主になりやすいように道を作り、彼らの負担を軽減するために、文化的な衝突を緩和するために、それを緩和する世界を作った。特に青銅器から鉄器への文化的衝突を少しでも軽減するために、青銅器のゴーレムと鉄のゴーレムと戦いあう世界をすべての進化していく創造主たちの世界に繋げた。それは少しでも負担がなく進化しやすいようにするためにだ。息子はそれで作られたものだったんだ。それが混沌の女神様の後継者の少女と会ううちに心を持つようになった。けれども世界の負担の軽減の為に作られた鉄のゴーレムが元なだけに、本質的には息子は全ての創造主達と繋がっている。つまり、あらゆる世界に影響力を持つ道を持っているということだ」
「なるほど、そう考えると混沌の女神様の後継者になる資格はあるということか」
「そう言うことだ。全ての創造主たちの集合無意識にも繋がりがあるわけだからな」
などと修二さんとカエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが信じられないような話をしている。
「ちょ、ちょっと待って? 初耳なんだけど? 」
ミツキさんや大妃さんとかにいちゃいちゃされながら御堂祐樹が驚いて声をかけてきた。
まさか、そんな話があるとは思わなかったんだろう。
俺も驚きだ。
「いやだって、聞かれなかったろ? 」
「いや、知らねえし! そんな話初めて聞いたぞ? 」
「言わなかったからな」
「それなら俺が知らないのは当たり前だろ? 」
「だから、言わなくても良いと思ってだな。そして、そうやって長い長い年月を生きると、言うのを忘れちゃうんだ。そういうものだ」
「忘れたらダメだろ? 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが修二さんに突っ込んだ。
「そういうとこじゃね? 」
「そういうとこだぞ? 」
心の師匠のカルロス一世と祝融さんも呆れて突っ込んだ。
それは確かに言えてるんだけど。
説明長くてすいません