全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十一部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 先手 第三章
「と言う事は、そのツキヨ曾祖母は戻ってくるのかな? と言う」
などとカエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが興味深げに聞いた。
「警戒してるんですか? 」
レイナさんがズバリと聞いた。
現状、残っておられる光の混沌の女神様の側近であるし、ツキヨ曾祖母さんが混沌の女神様の姉妹で敵に当たるのなら、警戒してもおかしくないし。
「いや、取り合えず話してみないと分かんないしな。ツキヨ曾祖母さんと言うのが中心なんだろ? いきなり攻撃されると困るが、その時は一旦引くし」
などとカエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが苦笑した。
そういえばツキヨ曾祖母さんとは会った事無いな。
敵を箸でそうめんみたいにツルツル食べちゃうとか言う話を御堂祐樹から聞いたけど、どんな怪物なんだろ?
「は? 何、その話? 」
俺の喋ってた話を聞いたのかカエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんの顔が歪んだ。
「ああ、食べるらしいんですよ。相手を」
「食べるぞ。俺は目の前で見ているし。なんか空間が歪む感じでつるつるって感じだ」
キョウカさんだけでなく心の師匠のカルロス一世が同意した。
「本当なんですか? あの話」
「本当だぞ。異様だし。戦い方がおかしいから、まず勝てない」
「何かの妖怪みたいな話だよね」
「そちらの世界に行った奴でわしらの仲間は妖怪って呼ばれた奴もいたみたいだからな。だから、鬼の姿をわしらはしている」
エリンギさんも参戦してきた。
「なんだか、頭痛くなってきますね」
涼月東が呟くが、それは俺も変わらない。
「どうでもいいけど、あっちのミツキに覚えがあるか? 」
御堂祐樹がイチャイチャしているミツキさんに聞いた。
「いや、特にないけど? 」
「俺の時は分離したら、それに興味を持ったり考えてた部分がごっそり消えたりしていたが。例えば格闘技の関係で相撲とかに興味を持ってちゃんこ鍋とかにこだわっていた部分はチャンコマスターJに持ってかれた」
ちらと俺が御堂祐樹とミツキさんを見ていたら、意味不明の話が始まる。
どうやら、ミツキさんから分離した存在の話をしているようだが、はて?
「チャンコマスターJ? 」
動揺して涼月東も口に出す。
そんな話は聞いたような聞いてなかったような。
文月家のデータにもあったっけ?
「ああ、Jの覆面してチャンコにプライドを持つ御堂祐樹だ。まあ、結局、ちゃんこ鍋の味付けはウェイパーなんだよな。それしか知らないしょうもない奴だが。今ならシャンタンになるのかな? 」
「そんな、変な人いましたっけ? 」
俺が慌てて聞いた。
「いたんだよ。変なのばかりあいつは分離してたから」
「いや、チャンコマスターJはおかしくないだろ? 」愛と正義のチャンコのマスターだぞ? 」
御堂祐樹が異様な事を話す。
どうやら、全部戻ったらしいので、御堂祐樹の中にいるのだろう。
「あんまり騒ぐと分離すると面倒くさいから、止めてやってくれ」
そう修二さんが話す。
もう、何が何だかである。
「さらに分離するとかあるのか」
涼月東が凄い顔して呟いた。
俺も同じ気持ちだ。
「義兄は大丈夫なのか? 」
心の師匠のカルロス一世が聞いた。
「俺は半分に分かれただけで済んだからな。だから、ミツキのは良く分からんな。混沌の女神様の後継者の少女って本当に淡い恋心だけだったから。何か他の部分ってあったかなぁ」
そう修二さんが御堂祐樹とミツキさんを見て首を傾げた。
そのあたりがカギなんだけど、チャンコマスターJねぇ。
完全に方向性が違い過ぎて……。