全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第六十一部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 先手 第二章
「ちょっとぉ! あんた達だけで何してんのよぉぉ! 」
などとどなり声がした。
ああ、あれが……。
などと思う。
ア〇カに似ている子が獅子の軍団の四天王の一人と聞いていたから、一発で分かる。
よく似ている。
まあ、ツンデレタイプではないらしいが、即座に御堂祐樹に抱き着くところと良い、まあデレデレタイプなのかな?
「まあ、久しぶりに会うからねぇ。うちのお父さんがだらしないから、ヤマトの政治の手伝いしてたし」
レイナさんが苦笑していた。
光の創造主の国王の話か。
後で皇帝を名乗るんだよな、それでミツキさんが継ぐとか。
よくわからん展開だけど。
とりあえず、この世界の創造主はどちらもだらしないらしい。
「まあ、ツキヨ曾祖母もサヨ祖母もミツキさんの方が向いていると見たからね。アオイはおとなしいし、ミヤビは補佐型だから。結局、うちは奥の院が仕切るのよ……」
キョウカさんが苦笑した。
ああ、そういう理由だったんだ。
「まあ、今にしてみるとまつろわぬものの血なのかな。ツキヨ曾祖母とサヨ祖母の二人の血を引いているのはミツキだけだしね。真面目にうちは一夫多妻だから私たちも母親はそれぞれ違うのよ」
レイナさんがちょっと真面目な顔だ。
多分、まつろわぬものとか混沌の女神様の後継者の少女とか知らなかったのかもしれない。
などと俺が喋っているせいで、レイナさんもキョウカさんも頷いた。
まあ、そうだよな。
こんなややこしくて、別次元の異世界の話をいきなり言われても困るし。
もともと、俺も<終末の子>の話しか知らなかったからも、最初のころは眉に唾つけるような話ばかり出て来て、何が何だかわからなかったし。
「まあ、そうよね。話がでかくなりすぎちゃって、何が何だかって感じだし。人間じゃないなって思ってた奥の院が本当に人間じゃないとか、もう途中から無茶苦茶な気がする」
レイナさんも俺の喋ってた話から同意してくれた。
「獅子の軍団として、こちらの戦力的にはどうなんですか? 」
どうも、北派とかいうまつろわぬものが戻ってきているし、御堂祐樹の話を聞く限りでは獅子の軍団がどう動くかが勝つか負けるかの分かれ目になりそうだ。
「ああ、向こうのミツキさんと戦争になった時を警戒しているのね」
キョウカさんがちょっと困った顔をした。
「ええ、我々の世界の方の獅子の軍団は麗さんだけしかいませんし、どうも御堂祐樹さんの話だと一回目の記憶が無いものが多いってた聞きました。だとすると戦力的にはどうなんでしょうか? 」
「まあ、特に強い四天王とか言われてたのは、ここにいるから、戦力的には大丈夫だと思うけど、問題は正直……言っちゃって良い? 」
俺の質問にレイナさんが困った顔をしてから、キョウカさんを見た。
それでキョウカさんがこくりと頷いたので話してくれるようだ。
「ツキヨ曾祖母とサヨ祖母の本音がわからないのよ。ぶっちゃけ。混沌の女神様の後継者まで狙っているのか、それとも復讐なだけなのか。それりによって思いっきり、話が変わるしね」
「正直、私はもう一人の奇麗な修二さんが組んでるかもとかも思うんだけど」
「奥の院は秘密主義だから、よくわかんないのよね。本音の話が」
レイナさんもキョウカさんもかなり懸念しているようだ。
実際、これで奥の院が敵だったら勝てないのではないかと言う話まで二人でしている。
それは確かにあるかもしれない。
「御堂祐樹に会うために振り切ってしまったんですよね。その皆さんを」
「うん、振り切って戻ってきたみたい」
涼月東の質問にレイナさんもキョウカさんも苦笑した。
困ったもんである。
やらかしました。
28日の投稿しちゃった。
しょうがないなぁ。