全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第五十九部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 北派 第一章
格納庫には鉄のゴーレムさん達が一斉に凄いスピードで走って来て格納庫の中に俺達を運んでくれた。
凄い地響きが止まらない。
光の槍が着弾しているらしい。
ミサイルかなんかなのか?
爆発しているようだ。
「ものすごい攻撃だな」
いつの間にか真っ先に格納庫に逃げた心の師匠のカルロス一世が呻く。
「これから容赦ない攻撃が来るよ。北派っていつもそうだ」
「徹底的に攻撃するんだよ」
エリンギさんとガマガエルのような鬼さんがうんざりするような顔をした。
「という事はだから、親父をパトラッシュは連れて行ったのか。くそぅ、俺もつれて行けば良いのに……」
などと御堂祐樹が呻く。
「でも、時間を止めてある格納庫があって丁度良かったですね。多分、まつろわぬものでも破壊できないと思います」
アオイさんが微笑んだ。
まあ、結果論だよなと俺は思ってしまうが……。
「参ったな。まだ爆撃みたいに続いているぞ」
祝融さんが揺れながら焦る。
「というか、元気だよね、あの人」
麗さんが外の方を見て呟く。
フリヒリムスさんの反撃しながらの怒声が聞こえるからだ。
フリヒリムスさんが外で落ちてくる光の槍をものとせず、戦い続けているらしい。
ドラクネスさんとラドウルスさんは格納庫に入って避難しているにもかかわらずだ。
「あいつは、ああなんだよ。円卓の騎士で一番、あんな奴なんだ」
「やられるとやり返すまで止まらない奴だからな」
どこか諦めのようにドラクネスさんとラドウルスさんが苦笑している。
「どうなるんだろう? 俺、生きて帰れるのかな? 」
神無月涼さんが絶望的な顔で呟いていた。
実際、それほどの攻撃である。
多分、時間が止まっている格納庫で無ければ、すでに粉砕されているだろう。
「しかし、あれだな。御堂祐樹の方は助けなくて良いのか? 修二さんを救っておきながら」
一条和馬が良い事を言った。
確かに、重要人物と言う事だと、御堂祐樹の方が上だ。
「多分、お義父さんが余計な話をしないようにするために連れ去ったんだと思います。助けたのとは違うと思いますけど」
アオイさんが説明してくれた。
なるほど、修二さん、結構ペラペラしゃべるもんな。
口が堅いと言う感じでは無いし。
「とりあえず、あのヒモも関係しているのははっきりしたな」
祝融さんがこれ見よがしに叫んだ。
揺れてるけど。
「まあ、何があってもおかしくないけど、北派って多分、まつろわぬものの地域的な意味合いかなんかだと思うけど、この攻撃っていつまで続くの? 」
御堂祐樹がエリンギさんに聞いた。
「弾があるうちは打つんじゃないか? 」
「あるだけ使ってしまう連中だからな。徹底的にやると思う」
「じゃあ、このまま揺れ続けるって事か? 」
叢雲さんが呻く。
「いやあ、索敵しても良く分からんな。まつろわぬものって厄介だな」
「どっちかってーと、性格が厄介」
「そーそー」
「自覚しているんかい! 」
アポリトさんの困惑にエリンギさんとガマガエルのような鬼さんの諦めたような言葉に御堂祐樹が突っ込んだ。
「とにかく、攻撃が止まらないとどうしょうも無いな」
かなり疲労が見える表情でカエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが呻く。
悉く悪い方へ行くので疲れ果てているようだ。
しかも、どう考えても応援に来たはずなのに、応援している側のやらかしで話が酷くなっているんで、本当にしんどいようだ。
「止まらないな、攻撃が」
「そりゃ、反撃している人がいるからね」
「反撃がある間は沈黙しないのよ、北派って……」
「いや、それなら、フリヒリムスさんが攻撃辞めたら良いんじゃないですか? 」
エリンギさんとガマガエルのような鬼さんの言葉に俺がドラクネスさんとラドウルスさんに慌てて言った。
「「どうやって? 」」
ドラクネスさんとラドウルスさんがそうやって同時に答える。
こんなのばかりだ。