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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第五十八部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 秘密 第八章

「いや、忘れていたんだがな。そら、こんなド田舎の外れに創造主として世界を作ったら、昔の中央に居た時って思い出すか? 昔の明治の時代の北海道に逃げて暮らしているみたいなもんだからな」


「そのマイナーな世界のマイナーな時代の話をされても、ああなるほどとか思わんが。ぶっちゃけ、逃げてド田舎に潜んで暮らしていたんだろ? 」


 カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが修二さんの話に突っ込んだ。


「意外と田舎って無茶苦茶狭いからな。いろいろと人間関係も濃厚だし、大変なのよ。そんな大変な日々の中で、必死になって自分の世界を作っていたら、そら古い話とか忘れるだろ? 正直、息子ともいろいろとあって戦いに巻き込まれていた時にはぐれて、そのままになっていたしな。混沌の女神様の後継者の少女の魂の欠片だけ持って途方に暮れてたよ」


 などと修二さんが困った顔をした。


「まあ、古い話は忘れるもんだけど、偉い人の側近をやってたんだったら覚えているんじゃないの? 」


 などと叢雲(むらくも)さんが珍しく突っ込んだ。


「俺もずっと女媧(じょか)様の側近をやっているが、忘れる事なんてないぞ? 」


 祝融さんもムッとしたように話す。


「その混沌の女神様の後継者の少女の魂の欠片って多分ミツキさんの事ですよね。そういうのがあると忘れないんじゃないのですか? 」


 アオイさんもじっと真剣な目で修二さんを見ていた。


 いろいろと無理のある話ではあるよなと思った。


「……親父……ぶっちゃけ、覚えてないんだろ。田舎だのなんだのは言い訳で、マジで覚えてないんだろ」


「うん」


 そう御堂祐樹が突っ込んだら、ナチュラルに修二さんが頷いた。


「面倒くさい事はすぐに忘れて、とっとと切り替える性格をしているもんな」


「そーそー」


「ふざけるんなよ、貴様ぁぁぁ! 」


 フリヒリムスが叫んで修二さんをぶらぶらさせている。


「で、貴方はなんでずっとそこに隠れているんですか? 」


 などとアオイさんが突然に異様な話を誰もいない場所にしだす。


 どう見てもアオイさんの見ている先に何もない。


 だが、異様な雰囲気を漂わせて、アオイさんがじっとそこを見ていた。


「だ、誰かいるのか? 」


「我々には感じられんが……」


 ラドウルスさんとドラクネスさんがちょっと驚いたような顔をした。


「俺も感じられない」


 などとアポリトさんまで話す。


 この人の空間把握能力だけはずば抜けているから、そのアポリトさんがいないと言うならいないのではと思うのだが……。


「暗殺者としてツキヨ曾祖母様に鍛えられた私には通じませんよ」


 などとアオイさんが驚くような話をした。


「ど、同族だが……北派だと? 」


 エリンギさんが突然に異様な話をした。


 何でしょう?


 北派って……。


 全然出てこなかった話が出てくると困るんですが……。


「やれやれ、アオイには仕方ないな」


 そう何かが姿を現した。


 5メートルくらいある巨体の真っ白な狼がそこに居た。


「パトラッシュ? 」


 御堂祐樹がさらに異様な話をしだす。


 何が何だか訳が分かんない。


「あの……旦那様……<大いなる口>ですよ。私と同じ暗殺者をやっていた」


 そうアオイさんが説明している。


「ああ、パトラッシュとか言うからびっくりした。狼じゃ無かったよね。パトラッシュって……」


 そう涼月東が騒ぐ。


 もちろん、俺も頭が一瞬真っ白になった。

 

 だって、どう見ても犬でなくて白い狼だし。


 そう言えば、パトラッシュって日本のアニメではセントバーナードになっているけど、原作だと黄色か褐色の犬で全然違うんだよな。


「いや、そういう豆知識はいいから」


 そう神無月涼さんに突っ込まれた。


 とにかく、誰も察知できない何かがそこにいたのだ。

 

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