第二十一部 第十章 エピローグ
結局、国王と宰相とイジュウイン大公の言い合いが止まらないので、みっともないからと言う理由で国家の最重要時に使用する最高幹部会のいつもの会議場へすぐに移動する事になった。
物凄く豪奢な円形の大きな机に国王と宰相とイジュウイン大公、サイトウ公爵とミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵と俺とダグダ師匠とカルロス一世とすべての許嫁達とレイナさんとアンナと樹老人とが座っている。
ヨシアキ大佐は横で立って控えてるようだ。
「いきなり、こういう王太子の決め方はどうかと思いますが」
宰相が国王に非難した。
「そうですよ。イジュウイン家はどうするんです? 」
イジュウイン大公も不満気だ。
「まあ、そう言うな。修羅のトップを娶ると言う事でレイナの婿になっちゃったわけだし、一応レイナが婿とって王太子の予定だったし」
国王が笑ってる。
「いや、うちだって後継者は決まっていませんよ」
宰相も言った。
そういや、全然、息子とか見なかったな。
本当に女性ばっかりなんだ。
「と言うか、王太子がいない国ってどうなんですか? 」
「ああ、うちの国は女性が強いから、もしもの時はレイナが女王になるの」
「じゃあ、別に俺を王太子なんかにせんでもいいのでは? レイナさんが女王で良いじゃないですか」
「そうは言っても、ユウキはヤマトの王族だし。わしらの子供世代なら唯一の男だしな」
国王が決まったかのように微笑んだ。
「いや、俺、そもそも商人ですし」
俺が反論したけど、誰も聞いてないし。
「ああ、と言う訳で許嫁の方も、王太子と言う事で修羅トップと猛禽トップを娶るだけで構わないと言う事に修羅の長老が決めてくれたから、安心してくれ……ってすでにえらい増えてるな」
国王がさらに続けて言いながら、俺の許嫁達を見た。
「あんまり増やしすぎると後で大変だぞ」
宰相が心配そうだ。
「子供が出来ると、女性はさらに獅子に変わるからな」
イジュウイン大公も宰相の意見に同意した。
俺とカルロス一世の顔が引き攣る。
いまさら、どうしろと言うんだか。
「どうでも良いけど、今日の議題はそっちじゃないでしょう」
レイナさんがドンと会議室の机を叩いて、拳の下側をめり込ます。
耐衝撃性が高く堅い樫で出来た机がへこんでる。
マジかよ。
うわぁ、本当に修羅さんだ。
すげぇ、剛力でやんの。
俺がドン引いてるの分かって、慌てて誤魔化すようにレイナさんがにっこりほほ笑んだ。
はっきり言って怖い。
「……ああ、そうだな」
国王が少し怯えてる。
マジかよ。
レイナさんが昔のイメージと全然違うやん。
詐欺だ。
「ああ、お前が穴を開けたところは、昔、修羅が魔人化したものを封印してた場所でな」
「は? 」
「調査したけど、相当深くまで崩落してるから、ちょっとヤバイかもしんない」
宰相も真顔だ。
「な、何で、そんなやばいものを街中に? 」
「ちょうど、暴走したのが、あの辺りだったらしい。もっと山の方に封じてくれたら良かったんだがなぁ」
マジですか?
洒落になんない。
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