全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第五十七部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 円卓騎士 第一章
「フリヒリムスか? 参ったな。あいつだと会話が出来ないかもしれない」
御堂祐樹がぼそりと呟いた。
「なんで? 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが聞いた。
「俺の事が大嫌いなんだ」
「そんな子供じゃないんだから」
祝融さんが呆れた。
「いや、創造主ってのはわがままで自分の思うがままに世界を変えていくから創造主なんだから。そう言うもんだろ」
修二さんが苦笑した。
「強いな。驚いた。あれは創造主クラスじゃないか。それも陰に控えているのがいる」
「円卓騎士ってのは基本創造主にもなれそうな連中だからな。大妃がスカウトして配下にした連中だ。そういうのの傘下で戦ってた俺に大妃が執着したから、それでガタガタになったが、本来は同格って意味合いで円卓だから」
「あのクラスが結構いるって事か? 」
「いるのがわかってて聞くなよ。まあ、騎士とか名乗っているだけあって、突っ込む場所はあるがな。プライドが高いから自分だけで戦うって仲間には言ってんだろう。だから……頼むぞ? 」
御堂祐樹がカエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんの肩をポンと叩いた。
「なるほどな。真面目に一騎討ちに来たところを一気に皆で潰す計画か」
修二さんがにやりと笑った。
「途中までは一対一にやるように見せよう。それで多分、互いの戦力を見る為にじりじりと上空で回るから、隙を見て一気に背後から潰そう」
「いやいや、自分1人で一騎討ちって言ってんだからやれよ」
「何を馬鹿な事を! 戦隊ものだって一対五だぞ? 」
「まだ一杯いるのに、最初に一気に潰さないと後が大変だろうが」
修二さんと御堂祐樹が必死だ。
「いや、鬼師団の鬼とやる時は一対一で受けたてたじゃん」
「あれは身内だもの」
「そーそー、別に身内だから騙し討ちとかしないだろ? こういうのは先に騙し討ちした方が勝ちだから」
「勝ったら正義なんだぞ」
御堂祐樹がきっぱりと言い切った。
おいおい。
変わったのかと思ったら、あまり変ってないやん。
「敵とやるのと身内とやるのと同じわけ無いじゃん」
「元身内じゃないのか? 」
「だから、余計に最初に先手討たないと時間が経つとやばいのがわかっているから断言している」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんの言葉に御堂祐樹が胸を張る。
その間に上空にフリヒリムスと呼ばれた何かが降りてくる。
一面六臂の姿で金色の天使だ。
その光はまるで太陽のように輝いている。
相当強いと思う。
だから卑怯な手でも最初に潰そうと言う事だろうか。
「無茶苦茶強くない? 」
「本当だ。あんなに強いのが大妃さんの配下だったんだ」
キョウカさんとレイナさんが驚いたような声を出した。
「私も本気で参加しようか? 」
アオイさんがそう呟いた。
確か、獅子の軍団の中で大妃さんが別格なら、四天王と呼ばれていたのがアオイさんのはずだ。
それも参加しないとまずいと言う事は、相当強いんだな。
「躊躇するなよ。背後から狙うとしても、相手は見ていると思った方が良い。一撃で倒さないと立て直されたり他の奴も参加してくると一気に厳しくなるから」
などとやばい話を御堂祐樹が淡々と話す。
「いや、俺も数に入ってんのかよ」
「最初から入れてる。光の混沌様の命令だろ? 」
「チッ! 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが舌打ちした。
その時だ。
前に進み出たものがいる。
心の師匠のカルロス一世だ。
「待つんだ。そんな事されたら、俺達はだれが守るの? 」
そう真顔で心の師匠のカルロス一世が話す。
何という真摯な目つきだろうか。
実は俺もそれを懸念していたのだ。
心の師匠のカルロス一世が言ってくれて嬉しかった。