全部社会が悪いんやっ! ONCE AGAIN第五十四部 文月凪(ふみつきなぎ)視点 脱出 第一章
御堂祐樹が格納庫のドアの残っている土砂を調べているようだ。
そう言えば、御堂祐樹も索敵とか得意だったような。
それにしても、本気だ。
真剣な顔で土砂を見ている。
本気で脱出するらしい。
どうなるんだろうか……。
「正直、このまま中にいる方が安全なんだがな」
などと心の師匠のカルロス一世の本音が漏れ漏れである。
「多分、全部終わるまでは手を出してこないし、全部終われば変なことしないだろうし」
これまた、アポリトさんの本音も凄い。
「いや、真面目に放置すんのか? 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが怒鳴る。
「だって、もう想像を絶する世界ですよ? まさか、創造主とか出てくると思わなかったし、その上の話ですからね。その下の神とか言うレベルなら、12月家もいろいろとあるから、なるほどとか思いますけど……」
涼月東も本音が漏れ漏れである。
確かに神とか創造主は日本では神として混同されちゃうけど、本来は日本の神は創造主とは違うからな。
実際、あの出口王仁三郎は日本の神は殆どが天使の位だと話していたけど。
「途端にムー臭い話になりますね」
涼月東が突っ込んできた。
「ムーは馬鹿にできないからな」
何度も何度も言及されているが、ムーはガセに騙されたりするので丹念に調査して経験を積んでいて、簡単には騙されない。
当時、もう一つあったその手の雑誌がオウム真理教を特集して応援していて、いろいろあって廃刊になったけど、そういうのも見事に避けたし。
アノンQも話の作りこみが荒いと即座に駄目出ししていた。
昔の取材で現地で足で稼ぐとか言うのをマジでいまだにやっているのはムーくらいという事で、民俗学の珍しい話を拾ってくるから、民俗学者御用達だったり。
「いや、うちの息子みたいなことを言うな」
などと修二さんが苦笑してきた。
なるほど、御堂祐樹も意外とオカルト好きみたいなので、その辺りは話が合うのかもしれない。
最近、ユー〇ューブとかでそういう良く出るスポットとか乗り込んで撮影しているけど、それって幽霊達からしたらお前ら土足で入ってくるなよ、許可位取れよみたいな感じだろうし。
「こないだ、ある人が、これはガチでやばくない? 下手に見るとやばいかもってのがあってびっくりしたらしいが」
「また、ある人かよ」
「お化けとか心霊写真みたいな感じで同じように見えるらしいけど、ユー〇ューブ見ててインチキみたいなのも多いらしいが、まれにガチが混ざっているとか。そもそも本当にやばいのは本来映像で映らんらしいし、だから大丈夫だろって、そんな感じなので軽い気持ちでユー〇ューブを見てたらガチヤバがあったとか」
「ムーより、その話の方が全く信頼できないんですが……」
「まあ、幻覚だって言えばそうだがな。ムーじゃないけど、見えたり話しかけられたりってあったら、いろいろ調べて結構、それが本当かどうか地方史見たりして確認したりするみたいなんだがな。真面目に神社がもう無いのに祀ってた神様の御眷属がそのまま残っているとことがあって、結構びっくりするとか言う話」
「なんで、そんな風にどうでも良い話に脱線するの? 」
カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんが困惑した顔で俺達を見た。
「いや、結構神話の話で、本当にあるってあるんだよ。出雲の神議り(かみはかり)ってガチだったのでびっくりしたらしいから。本当に神在月にあるらしいわ。そう言う話もあるから、俺は記憶があいまいだから、何かまつろわぬもので知らんのかな? カエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんは? 」
などと修二さんが話を向けた。
確かに、何らかの話が伝わっていると今後の為に良いのだけど。
「知らん。混沌の女神様も喋りたがらないしな」
「「「「「「知らんのかい! 」」」」」
などと全員でカエサル・アエリウス・アウドニア・アウレリウス・エクセニウス・アウレウス・クトゥルスンさんに突っ込んでしまった。




