第二十部 第八章 マー
マーが直進して来た。
左右でナイフを使いながら、斬り込んでくる。
轟天で一本をはじいて、片方のナイフが足元に落ちた。
その瞬間に左右以外のもう一本の手が出て、死角から俺の腹をナイフでついて来た。
俺が即座に足の裏でそれをはじく。
「ちっ、安全靴かよ」
マーが舌打ちした。
安全靴とは足の裏に鉄板が入ってる工事用の奴だが、これは同じようなものをこちらで作ったものだ。
「わざと一本のナイフを落として、注意を引いたのは分かったけど、まさか、手が三本あるとはね」
俺が笑った。
「まあ、機械で出来た手だけどな」
マーがにやりとした。
脳かなんかにつないで脳波で動かす手とかは開発されつつあるから、それに近いものなんだろう。
「なんか、えげつないな」
「いや、お前に言われたくないが」
「心外だな」
何故、そう皆は俺を誤解するんだろうな。
失礼な奴ばっかりだ。
「いや、お前自覚なさすぎだろ」
「心に思ってる事に突っ込まれるとは」
「お前の心を読んでると頭がおかしくなりそうだ。そろそろ本気で行くぞ」
マーが言うと、服が破れて、三本の手が新しく出てきた。
全部で手が六本。
しかも、全部ナイフが握られてる。
何、これ。
愛染明王か何かなの?
「阿修羅王と呼べや」
また、マーに心を読まれた。
喋らんですむから、良いんだけど、俺が心でボケたらツッコむんだろうか。
「やかましいわ! 緊張感も何も無い、もういいから死ね! 」
何と言う短気な奴だ。
「五月蠅い! お前の心にツッコミなんかいれれるか! 」
マーがすべての手を使って踏み込んでくる。
気合を入れて、四本のナイフを一瞬で斬り飛ばしたが、やはり、下側からの低いうちの二本が防げない。
まっすぐに俺の急所を狙ってくる。
「えくすかりばぁ君が! 」
それを見たムラサキが俺のスボンを引っ張って引き戻そうとしたら、スボンがずれてち〇こが出た。
「えくすぅかりばぁぁぁ! 」
えくすかりばぁ君が叫んだ。
マーがびくっとして動きが止まる。
「え? ち〇こが喋べるだと? 」
そこを俺が袈裟切りにマーを轟天で斬り落とした。
「嘘だろ? これは無いわ? 」
血しぶきをあげて、マーがそこに倒れた。
麗がまた爆笑して、その場に蹲った。
これだけの斬撃を見て笑うってのも凄いな。
「凄い、えくすかりばぁ君が勝った」
深雪が感動してる。
「本当だ。何て素晴らしい」
キョウカさんまで感動してる。
見たら、皆が目をうるうるさせてる。
やばい。俺の立場はどこに。
ふと見るとマリナが凄く驚いた顔をしてる。
まあ、ち〇こが喋るんだもんな。
せつない。




