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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第二十部 第七章 マリナ

「へー、全員お揃いじゃん」


 アマゾネスの美少女が笑った。


「お前は? 」


 (れい)が聞いた。


「アマゾネスのマリナ」


 マリナが答えたが、どっちもやばそう。


 何かもう、収拾つかないんじゃないかな。


「貴様! 一騎打ちの約束はどうなった」


 ウィリアム少佐が立ちあがった。


 蹴った方のアマゾネスは見てない。


 駄目だこりゃ。


 ふいっと言う感じでウィリアム少佐の背後から、身の軽い男がナイフで俺に斬りつけてきた。


 俺が流石にまずいと思って、周りにいた皆を突き飛ばして、轟天で受けた。


「ほぅ、たいしたもんだ。ホアンを殺っただけはある」


 異様にやせ気味の男は笑った。


「マーやめろ! そいつは俺の獲物だ! 」


 ウィリアム少佐が叫んだ。


 マーと呼ばれた男は強いて言うなら、カマキリのような雰囲気を持った男だ。


 暗殺とかそう言うのを専門にしてるような雰囲気がある。


 だが、俺はアオイ達のカマキリのような目で鍛えられた男だ。


 この程度のぬめっとした殺気など相手では無い。


 大体、貴様に地球が破壊できるか?


 うちの嫁は出来るんだぞ。


 そう考えれは怖いものなんてない、許嫁以外は。


 ウィリアム少佐の身体を起点に、陰から陰から、俺に攻撃をしてくる。


「なるほど、ウィリアム少佐を盾にする気か」


 俺がマーと言う男を睨んだ。


「そうだぞ、味方を盾にする気か! 」

 

 ウィリアム少佐が叫んだ。


「やかましい。こんなもの早い者勝ちだ」


 マーが笑った。


「同意する」


 マリナが後ろに気を取られたウィリアム少佐の顔面に膝蹴りを食らわす。


 が、ウィリアム少佐は少し揺らいで鼻血を出しただけで、そのまま、マリナの手を掴むと投げつけるように壁に叩きつけた。


 しかし、それは敏捷に反転して壁を両足で蹴って立ち上がる。


「おおおおおおお」


 俺が拍手したら、マリナが照れてる。


 いい子かもしんない。


「相変わらず、緊張感の無い奴だな」


 ウィリアム少佐が鼻血をものともせずに笑った。


 そしたら、(れい)がウィリアム少佐の顎に綺麗に左ハイキックを食らわす。


 綺麗に入って、脳震盪を起こしたらしく、ウィリアム少佐が膝をついた。


「おおおおおおお、綺麗な蹴りだ」


 俺が拍手すると(れい)が照れた。


 この子も実はいい子じゃね?


「ちっ、盾にもならんとは」


 マーがウィリアム少佐を飛び越えて、前転するようにナイフを俺に斬りつけて来た。


 それを轟天で受け止めた。


「例のホアンを殺った刀か? 威力があり過ぎて仲間を撃っちまうから使えないよな」


 笑いながらマーが言った。


「そう? 」


 俺が笑ったら。


 マーが総毛立ったように下がった。


「え? 平気で撃てるのかよ。正気じゃねえな」


 マーがじりじりと俺を見ながらナイフを両手に構えた。


「なんだ。あんたも、ホアンと同じく心が読めるんだ」


「まあな。でも、ホアンを殺った時の話を聞くと、お前の心を読んでも意味無いようだしな」


「まあ、考えずに適当だから」


 俺が笑った。


「へー、お兄さん、それはそれで凄いんだと思うよ」


 マリナが笑った。


「そりゃ、どうも」


 俺が笑って答えた。



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