第二十部 第六章 麗(れい)
船の甲板の方から叫び声と激しい戦いの音がする。
すでに、龍女さんと燐女さんも応援に行った。
「ええと、俺も手伝いに行ってもいいのかな? 」
俺が皆に聞いた。
「いや、それだと、えくすかりばぁ君が……」
キョウカさんが行っちゃ駄目って感じだ。
ユイナもミオも深雪もさくらもムラサキも頷いた。
そうですか。
俺だけの時は平気で最前線で戦わせてたくせに。
そんなにえくすかりばぁ君が大事なんだ。
「で、貴方方は? 」
カルロス一世とかクニヒト大佐とかヨシアキ大佐とアポリトに聞いた。
アポリトはトラウマがあるからしゃーないとしても、何、この面子。
和真と恋と紅葉も行っているというのに。
「とりあえず、えくすかりばぁ君を守らないとな」
カルロス一世が凄く真面目な顔で答えた。
「えくすかりばぁ君は大切だからね」
クニヒト大佐も糞真面目な顔だ。
「お、お前等」
戦う気ゼロやんけ。
船室にいるけど、上の攻撃とか爆発まであって、相当激しい戦いやってるのが分かる。
「これ、俺も行った方がいいんじゃないの? 」
「ええっ! えくすかりばぁ君が! 」
ムラサキがしがみついてきた。
なんだよこれ。
えくすかりばぁ君は却って俺達にとって足手まといで無いか?
「何? そのえくすかりばぁ君って? 」
いきなり背後から聞かれた。
そこに中国人の綺麗な美少女が立っている。
「どなた様ですか? 」
「麗、貴方の許嫁」
麗がぽそりと言った。
「待って! これはえくすかりばぁ君だから! 」
ミオが叫んだ。
とうとう、俺の人格も無くなったのか。
えくすかりばぁ君の備品みたいな事言ってる。
「? どこにえくすかりばぁ君なんているの? これは祐樹様だし」
麗が不思議そうに聞いた。
「ここにいるわ! 」
ユイナが俺のスボンをずらして、ち〇こを出した。
何と言う破廉恥行為を!
「えくすぅかりばぁぁぁ! 」
必死になってスボンを戻したが、一瞬表に出たせいでえくすかりばぁ君が叫んだ。
そしたら、麗が一瞬呆けた顔をした後、大爆笑して涙を流して蹲った。
俺、本当にイロモノになったんだなぁ。
無茶苦茶受けてます。
穴があったら入りたい。
甲板がぶち壊されて上から、一人降りてきた。
中国人らしいが、男だ。
「なんで? 男が? 」
「お前が祐樹か? ホアンの兄貴をよくもやってくれたな」
どうも、こないだ毒刃で刺してきた、ホアンだかの身内のようだ。
手にアサルトライフルを持っている。
「ちっ」
俺と同時にカルロス一世が動こうとしたら、麗が一瞬にして動いて、その男のち〇こを蹴りあげた。
凄く怖くて痛い事に、麗の右足のつま先がベルトのとこまで達している。
全部蹴り潰したみたい。
俺とカルロス一世をはじめ男達が皆、前かがみになる。
怖い。
ホアンの兄貴とか言ってた男は完全に白目になって痙攣して動かない。
「こっちをつけてくると思わなかった」
麗が甲板の上を睨み付けている。
この殺気に覚えがある。
ウィリアム少佐だ。
だが、ウィリアム少佐は格好つけて目の前に現れようとして、女性に蹴り落とされた。
「あ、いたいた、<終末の子>だぁ」
ウィリアム少佐を蹴り落とした女性が下に降りてきた。
ビキニ風の鎧と服を着て、大きくお腹とか出てる露出の凄い服を着てる。
そして、金髪をショートにした少年のようだが、間違いなく凄い美少女なんだが、殺気が凄い。
間違いない、アマゾネスだ。
何?
上はバトルロイヤルになってんの?
収拾がつかない。