第十九部 第十三章 テューポーン
結界が消えた為か、そこに龍女さんと燐女さんが乗り込んでくる。
「待った待った。今回は降参するわ。祐樹様は返す 」
フランソワが参ったと言うような仕草をした。
俺の羽交い絞めを解いたので、初めて顔が見れた。
ああ、確かに、凄い美人だ。
フランス系かな?
金髪碧眼ですんごい巨乳だ。
そこしか目に行かない。
「ち、ちょっと、あんた」
ディエムが突っ込んだ。
「いや、これほどとは思わなかった。一旦、引いた方が良いわ」
アナスタシアもフランソワに同意した。
「それだけで済むと思うのか? 」
龍女さんの殺気が凄い。
「祐樹様に打った薬、結構ヤバイから解毒薬がいるでしょ」
フランソワが胸の谷間から薬の小鬢を出した。
え?
そんなヤバイ薬なの?
「解毒薬と私達の撤退を認めるのを交換条件と言う事でいかが」
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再度アオイの思念が届く。
「ちょっと、この人、怖いから止めてよ」
ディエムが焦ってる。
「あちらに旦那様を連れてけば、止まるはずだ」
龍女さんが答えた。
「条件はどう? まだアマゾネスとかもいるんでしょ? 」
相手の心を揺さぶるようにフランソワが言った。
「仕方ない」
龍女さんが頷いた。
「大丈夫か? 」
耳元で龍女さんが俺に聞いたのでしびれる身体で緩くコクコク頷いた。
燐女さんが解毒剤の瓶を持って、龍女さんが俺を抱えた。
「皆、乗組員連れて、もう一つの拠点に全員でテレポート! 」
フランソワさんが叫んだ。
俺達が向こうにテレポートする寸前にだ。
「は? 何で? 」
ディエムさんが不思議そうに聞いた。
「あの子絶対撃つから」
フランソワさんが最後に言った、そこだけが聞こえた。
と同時に再度凄まじい閃光が走る。
豪華高速帆船に俺達がテレポートすると同時に、駆逐艦二隻が消滅した。
テューポーンの再度の破壊攻撃だ。
それと同時に強烈な駆逐艦とかの爆発音の後、凄い津波になった。
激しい波の中、俺が解毒剤を貰って飲んだ。
そしたら、船内に逃げてたクニヒト大佐とかカルロス一世とか皆、甲板に出てきた。
「なに? 何なの? 」
クニヒト大佐が愚痴った。
「アオイがブチ切れてパトリダに封印されてたテューポーンを呼んだ」
龍女さんが答えた。
アオイとミツキが俺が戻って来たんで、俺に駆け寄って抱きついてきた。
爆発後の津波でドンドン豪華高速帆船が流されていく。
「あれが、テューポーンかよ! 」
カルロス一世が遠くの信じがたい位でかい巨神を見て唖然としてる。
「嘘だろ」
アポリトも愕然としてる。
「とりあえず、元の封印に戻るみたいだね」
ダグダ師匠がふうとひと息ついた。
アオイの狂乱が止まった途端、聖樹が絡み付いて再度、テューポーンが地下へと帰っていく。
その姿は神秘的ですらある。
「やばい。このままだと本当に世界が滅ぶかもしれん。あれは星だって破壊できる」
カルロス一世が真っ青になってる。
その間、俺を抱きしめる力が強すぎて、俺が舌を出して気絶しそうになっている。
「何て言うか。お前、結構大変なんだな」
和真がしみじみと言った。
そのままアオイとミツキの抱きしめが凄く、絞められて気絶した。
 




