第十九部 第十二章 アオイ
[戻れ! ]
何度も頭に声が鳴り響く。
その度に駆逐艦の異音が凄くなり、豪華高速帆船の方に引き摺られる。
「あいつ、確か、祐樹様の妹だ」
ディエムが爪を噛んだ。
「流石、女媧様の子と言う事か」
フランソワが笑った。
「何か身体の中に飼ってるわね」
アイシャがかなり警戒してる。
それは初耳です。
[旦那様を返せ! ]
今度は別の声が頭に響く。
アオイだ。
[返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せ! ]
アナスタシア達がガチでドン引いてる。
「何、これ? 壊れてんの? 」
フランソワがドン引いてる。
「うわ、引くわー」
ディエムも引いてる。
[あぁぁあああぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁああぁあああああああああああぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁああああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁああああああぁぁあああぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁあああああぁぁああああああああああぁぁあああああああああああ! ]
そうしたら、パトリダの方で震えるくらい巨大な巨大な光の柱が上がる。
駆逐艦ですら、異常を感じる。
凄まじい、地響きが鳴る。
「な、何これ? 」
アナスタシアが呆然とした。
光の柱に巨大な巨大な羽が付いた巨神が現われる。
どう見ても上半身しか出てないのに、高さが三キロメートル近くあると思われる。
こんなにパトリダから離れてるのに姿が見える。
でかい。
でかすぎる。
「嘘! テューポーン! 」
フランソワが叫んだ。
テューポーンが口を開けるとそこに光が集束した。
「駆逐艦の舵を切って! やばい! あれはやばい! 」
フランソワが叫んだ。
だが、集束しきった光が放たれた。
凄まじい光が空間を隔てた向こうのオーストラリアに着弾する。
凄まじい爆発の後、オーストラリアの巨大な大陸の一部が完全に消えてなくなった。
下手したら、三分の一くらい消えたんじゃなかろうか。
その攻撃を受けて、駆逐艦の結界が消失した。
かすってもいないのに、信じがたい破壊力である。
マジでションベンちびりそう。
今日も投稿します。
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