第十九部 第十一章 ミツキ
「はいっ、隙あり」
いきなり、俺が背後から羽交い絞めされた。
しかも、動けなかった。
なぜなら、ノーブラで凄い巨乳に抱きしめられたからだ。
感触がハンパ無い。
とか言って動きが止まったら、首にチクリと何か刺された。
身体がしびれてきた。
「身体の毒を集めて綺麗に排出するような器用な真似が出来るそうだから、直接打ったんでごめんね」
背後の女性が笑った。
「ちょっと、フランソワ? 」
恋が驚いた。
「あんた達、いつのまに組んだの? 」
恋が振り返って、アナスタシアとディエムに言った。
「ああ、あちらの世界でも四人なら結婚できる国もあるしね」
ディエムが笑った。
「えええええ? するとまだ一人いるのか? 」
和真が聞いた。
「アイシャがいるわ」
アナスタシアが答えた。
「ふ、ふざけんな! 」
ミツキがブチ切れた。
燐女さんが手を上に上げた。
「そこかっ! 」
言うと雲間から蒼穹船の強襲艦が急降下して来て、前方の五百メートルのあたりに激しい攻撃を与えた。
すると、空間ごと隠れていたものが現われ、あちらの世界の駆逐艦がニ隻現われた。
「嘘だろ? いつのまに」
和真が唖然とした。
「最初から、あんたらの動きを監視してた訳」
ディエムが笑った。
「ああ、アイシャの空間防御は最強クラスだから、そんな攻撃じゃ駆逐艦どころか防御も破壊できないよ」
アナスタシアも笑ってる。
「じゃあ、彼は貰って行くから、皆さん赤ちゃん出来てなくて残念ね」
フランソワが俺を連れて駆逐艦の甲板にテレポートした。
同時に、アナスタシアとディエムもテレポートした。
そこには、アラブ系のビジャブと言う服を着用した女性がいた。
正直、ビジャブで顔しか見えないがこれまた凄い美人だ。
目が混血なのかグリーン色なんで、余計に神秘性がある。
「ほう、同時にこちらの結界にテレポートして入ろうとしたのが何人かいる」
アラブ系の美人のアイシャが驚いてる。
「味方認定されてないと入れるわけないのにね」
ディエムがくすくす笑った。
「じゃあ、彼は貰って行くわね! 」
アナスタシアが笑顔で俺達の豪華高速帆船の許嫁達にからかうように大きな声を上げた。
駆逐艦が動き出して、その前に空間の渦が出だす。
その先に大きな大陸が見えた。
「あら、随分と渦の間が狭いのね」
フランソワが驚いてる。
「オーストラリアね。それだけあちらの世界とこちらの世界が近づいてるって事よ」
ディエムが言った。
駆逐艦がその空間を通って、向こうの世界に行くために、二隻とも直進している。
「もうちょっとやるのかと思ったけど、少しがっかりね」
背後まで見えないので、雰囲気でしか分からないが、フランソワがアオイ達の方を見て笑ってるみたい。
それを聞いて他の三人が苦笑した。
[戻れ! ]
凄まじい声が頭に響いた。
と同時に駆逐艦の動きが止まる。
そして、逆に、駆逐艦が豪華高速帆船の方に無理矢理引っ張られている。
テレキシネス?
[戻れ! ]
駆逐艦のスクリューは前進方向なのに引っ張られてるので、スクリューのあたりから変な異音が出た。
「あ、あいつ! 」
それを見ると、光の柱みたいのが立って、そこの真ん中にミツキがいた。
しかも、金色に背後が輝いてる。
こ、これは何なんでしょう?




