第十九部 第四部 カザンザキス邸
急遽、どうしょうもないので、大至急、相談でカザンザキス邸に向った。
カルロス一世もいたので、カザンザキスさんも予定を全部キャンセルして会ってくれた。
アポリトやクニヒト大佐やヨシアキ大佐と樹老人も同席した。
「アマゾネスか。そろそろ時期だとは思っていたのだが、動き出すとは厄介だな。彼女達は軍神アーレスとハルモニアーを祖とする神族で我々とも関係が深い」
「え? アマゾン川の種族じゃないの? 」
ミツキが驚いて聞いた。
「逆、アマゾンに女性だけの種族がいるって噂が流れて、命名の時にギリシャ神話のアマゾネスから名前を取ったの」
俺がどうでもいい知識を披露した。
「厄介だな。まして、向こうの神族まで関わって来るなんて」
「大体、何で本人が知らないとこで婚約が成立してんだか……」
俺も呆れ果ててる。
「大丈夫じゃ。わしの蒼穹船は実は全部で五隻ある。全部灰にすればよかろう」
龍女さんが笑顔で逆に怖い。
「強襲艦の蒼穹船はまだたくさんあるし、安心したらいい」
燐女さんも猛獣のような笑顔だ。
「この際だから、アマゾネスの本拠にリヴァイアとかで集中的に、猛爆攻撃しましょうか」
アオイも凄く怖い笑顔だ。
ここに至って、俺も事態の深刻さが分かった。
本当だ。
こっちの世界が本当に滅ぶ。
やべぇ、こっちも怪物ばかりなの忘れてた。
「……どうしょう」
カザンザキスさんが珍しく、真っ青になっている。
「とりあえず、ヤマトなら、俺はついて行っても船で待ってるから」
アポリトが震えながら言った。
「あ、俺はここで待ってちゃ駄目かな? 」
クニヒト大佐も震えてる。
「えええええ? 参ったな」
ヨシアキ大佐も頭を抱えてる。
「俺はどうしょう」
カルロス一世が悩んでる。
「え? 奥さんから離れられるんだからついて来てくれるのかと」
「いや、だって、修羅の嫁さん居るのに、ここでアマゾネスなんて冗談だろ? わざわざ地雷を踏みたくない」
「つ、冷たい」
「仕方ないだろ。だってにんげんだもの」
「それ、俺の座右の銘だし」
「で、お前はどう思うのじゃ」
樹老人が俺に聞いてきた。
「出来るなら、許嫁つれて、向こうの世界への境目見つけて、一度向こうの世界へ逃げる」
「なに? 」
「そして、こちらのアマゾネスとかしつこいなら、向こうの世界に行くはずだから、向こうに行ったのがこちらの世界でわかったとこで、召喚をして貰ってこちらの世界に戻る」
「ほほう。それから」
「また、こちらにアマゾネスが戻って来たら、向こうの世界へ行く」
「ちょっと待てや! 」
樹老人が立ち上がって怒った。
「これを繰り返して、なんとか逃げ切ると言う」
「……それ解決になるの? 」
クニヒト大佐が聞いてきた。
「いや、これを繰り返すことによって、うちの母さんがキレる」
「おい! 」
クニヒト大佐が突っ込む。
「ちょっと、お母さんにぶつけるの? 」
ミツキが呆れた顔をした。
「だって、多分、うちの母さんが一番強い」
「なんと言う他力本願」
カルロス一世も呆れてる。
「いや、助かるなら何でもしますよ」
「なるほどな」
納得するんかい。
「とりあえず、急いだ方がいい。とにかく、一旦はここを離れて、いつもの豪華高速帆船に乗って逃げるべきだろう。ここでは守りきれない」
カザンザキスさんが言った。
「確かに、軍事国家のエテルノですら全く相手にならなかったからな」
カルロス一世がため息ついた。
「俺は、いつになったら事業に邁進出来るんだろうか」
「料理勝負やったじゃん」
ミツキが笑った。
「事業じゃないじゃん」
俺ががっくりと項垂れた。
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