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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
221/2599

第十九部 第四部 カザンザキス邸

 急遽、どうしょうもないので、大至急、相談でカザンザキス邸に向った。


 カルロス一世もいたので、カザンザキスさんも予定を全部キャンセルして会ってくれた。


 アポリトやクニヒト大佐やヨシアキ大佐と樹老人(じゅろうじん)も同席した。


「アマゾネスか。そろそろ時期だとは思っていたのだが、動き出すとは厄介だな。彼女達は軍神アーレスとハルモニアーを祖とする神族で我々とも関係が深い」


「え? アマゾン川の種族じゃないの? 」


 ミツキが驚いて聞いた。


「逆、アマゾンに女性だけの種族がいるって噂が流れて、命名の時にギリシャ神話のアマゾネスから名前を取ったの」


 俺がどうでもいい知識を披露した。


「厄介だな。まして、向こうの神族まで関わって来るなんて」


「大体、何で本人が知らないとこで婚約が成立してんだか……」


 俺も呆れ果ててる。


「大丈夫じゃ。わしの蒼穹船(そらふね)は実は全部で五隻ある。全部灰にすればよかろう」


 龍女(りゅうじょ)さんが笑顔で逆に怖い。


「強襲艦の蒼穹船(そらふね)はまだたくさんあるし、安心したらいい」


 燐女(りんじょ)さんも猛獣のような笑顔だ。


「この際だから、アマゾネスの本拠にリヴァイアとかで集中的に、猛爆攻撃しましょうか」


 アオイも凄く怖い笑顔だ。


 ここに至って、俺も事態の深刻さが分かった。


 本当だ。


 こっちの世界が本当に滅ぶ。


 やべぇ、こっちも怪物ばかりなの忘れてた。


「……どうしょう」


 カザンザキスさんが珍しく、真っ青になっている。


「とりあえず、ヤマトなら、俺はついて行っても船で待ってるから」


 アポリトが震えながら言った。


「あ、俺はここで待ってちゃ駄目かな? 」


 クニヒト大佐も震えてる。


「えええええ? 参ったな」


 ヨシアキ大佐も頭を抱えてる。


「俺はどうしょう」


 カルロス一世が悩んでる。


「え? 奥さんから離れられるんだからついて来てくれるのかと」


「いや、だって、修羅の嫁さん居るのに、ここでアマゾネスなんて冗談だろ? わざわざ地雷を踏みたくない」


「つ、冷たい」


「仕方ないだろ。だってにんげんだもの」


「それ、俺の座右の銘だし」


「で、お前はどう思うのじゃ」


 樹老人(じゅろうじん)が俺に聞いてきた。


「出来るなら、許嫁つれて、向こうの世界への境目見つけて、一度向こうの世界へ逃げる」


「なに? 」


「そして、こちらのアマゾネスとかしつこいなら、向こうの世界に行くはずだから、向こうに行ったのがこちらの世界でわかったとこで、召喚をして貰ってこちらの世界に戻る」


「ほほう。それから」


「また、こちらにアマゾネスが戻って来たら、向こうの世界へ行く」


「ちょっと待てや! 」


 樹老人(じゅろうじん)が立ち上がって怒った。


「これを繰り返して、なんとか逃げ切ると言う」


「……それ解決になるの? 」


 クニヒト大佐が聞いてきた。


「いや、これを繰り返すことによって、うちの母さんがキレる」


「おい! 」


 クニヒト大佐が突っ込む。


「ちょっと、お母さんにぶつけるの? 」


 ミツキが呆れた顔をした。


「だって、多分、うちの母さんが一番強い」


「なんと言う他力本願」


 カルロス一世も呆れてる。


「いや、助かるなら何でもしますよ」


「なるほどな」


 納得するんかい。


「とりあえず、急いだ方がいい。とにかく、一旦はここを離れて、いつもの豪華高速帆船に乗って逃げるべきだろう。ここでは守りきれない」


 カザンザキスさんが言った。


「確かに、軍事国家のエテルノですら全く相手にならなかったからな」


 カルロス一世がため息ついた。


「俺は、いつになったら事業に邁進出来るんだろうか」


「料理勝負やったじゃん」


 ミツキが笑った。


「事業じゃないじゃん」 


 俺ががっくりと項垂れた。


  






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