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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第十八部 第七章 くじ引き

 緊張の後、ファウロスとロウがくじを引いた。


 そしたら、ファウロスが当たった。


 その途端、アポリトの顔が凄くひきっつた。


「お、お前、あれから料理とか練習したのか? 」


「いいや」


 ファウロスが首を振った。


「マジか……」


 アポリトが絶望的な顔をした。


 クニヒト大佐とヨシアキ大佐の顔が凄い不安そうだ。


「ええと、何かあるの? 」


 俺が聞いた。


「いや、昔だがな、あいつがパトリダに居れなくなった理由の一つが、海賊の頭の連中が集まった会合であいつが料理を振る舞ってな」


「……聞かない方がいいのかな? 」


「いや、聞いておいた方がいい。それで俺はその日忙しくて参加しなかったんだが、全員亡くなってしまって、毒殺したって噂が流れたんだ」


「「「ほげげげげげげげぇぇぇぇ」」」


 思わず、鼻水が飛び出る。


「そ、それは毒殺したんじゃないんだね? 」


 少し震えてるカザンザキスさんに聞かれて、アポリトが頷いた。


「ち、ちょっと、これは駄目でしょ! 」


 ヨシアキ大佐が叫ぶ。


「いや、くじは絶対だ」

 

 グリルが言ったら、グリラも頷いた。


「えぇぇええええぇぇぇえええええ! 」


「心配するな。あれから五年も経ってるんだ。多分、きっと、恐らく、今度は大丈夫だ」


 ファウロスが満面の笑みを浮かべた。


「その根拠は? 」


「無い」


 ファウロスが思いっきり胸を張った。


 何でしょう、この罰ゲーム。


 今度はこちらのくじ引きがはじまった。


 幸い、ミツキは外れだった。


 ほっと胸をおろした。


 ミツキが俺を睨んでたが、命には替えれない。


 そしたら、アオイが当たりを引いた。


「はぁぁあぁうううぅぅぅぅ! 」


 カザンザキスさんが心臓が止まったかのような顔をした。


 すっげぇ、やな予感。


「ど、どうしたんです? 」


「アオイは十歳でこちらに遊びに来た時、皆にクッキーを焼いて振る舞ったんだが、食べたうちの半分が意識不明の重体に」


 カザンザキスさんが震えたように小声で囁いた。


「「「ほげぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇ! 」」」


「お爺様、大丈夫です。あれから六年も経っているんですよ」


「な、なるほど、料理の勉強をした訳だな」


「いいえ? 」


 アオイが笑顔で答えた。


 審査員の全員が総毛立つ。


「ちょっと、味の勝負なんだろ? いいのか? 」


 俺がグリラに聞いた。


「くじは絶対だ」


 グリラが言うとグリルも頷いた。


 やべぇぇぇぇぇ。


 何だよ、これぇええぇぇ。


「心配するな。料理の神様が一緒にやるんだ。問題ない」


 樹老人(じゅろうじん)が笑顔で俺達に言った。


「「いや、忠告するだけだ」」


 グリルとグリラが答えた。


 やばい、涙が止まりません。


 

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