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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第十八部 第五章 グリラ

「とりあえず、お前、一緒に神様探すのは流石に無理だから、自分でやれよ」


 俺がファウロスに言った。


「冷たいな」


「ライバルだろ」


「仕方ない。ロウ、別のルートを通るぞ」


 ファウロスが仕方なく、ロウを連れて離れていく。


「ライバルと言われると流石に断れないようだな」


「まあ、うれしいんだろ」


 アポリトが笑った。


「そうか」


「俺もあいつにライバルになって欲しい。そして事業を競い合って、成功したら<終末(おわり)の子>からも卒業だ」


「なんでやねん」


 樹老人(じゅろうじん)の突込みが入る。


「いやだって、こんなの若いうちだけのヤンチャですよ」


「なんか、ヤンキーみたいな事言ってるし」


 深雪が呆れてる。


「お前、<終末(おわり)の子>から逃げないと言ったじゃないか」


「いえ、逃げてません。逃げずに卒業ですよ」


 樹老人(じゅろうじん)が口をあんぐりと開けて固まる。


「いいんですか? 」


 ダグダ師匠が龍女(りゅうじょ)さんに聞いた。


「いや、最近、こういうのもありかなと」


 龍女(りゅうじょ)さんが良い笑顔だ。


「ええええ? 」


「皆がドンドン駄目になっていくね」


 シ〇アが抜けてきたクニヒト大佐がぽつりと呟いた。


 俺が辺りを見回して、あちこちから、ここが良く見える場所な事を確認した。


「ココでいいかな」


 俺が言って、樹老人(じゅろうじん)の入った籠を降ろした。


「何をする気なんじゃ? 」


「あれを出してよ」


 俺がミオに言って折りたたみの籠を拡げた。


 それはたたまれてたのが拡がると、大きな大きなザルになった。


 その巨大なザルを樹老人(じゅろうじん)の上に被せると紐のついた棒でつっかえ棒して置く。


「おい……鳥を捕まえるんじゃないんだから……」


 ヨシアキ大佐の声が怒りで震えてる。


「お前、神を何だと思ってるんじゃ? 」


 樹老人(じゅろうじん)も怒ってる。


「いえ、ちゃんともともと籠って呪物ですし、いろいろと編み込んであるので、これなら逃げれませんよ」


 アオイが笑顔で答えた。


「ヤマトに娘をやるんじゃなかったな」


 横でカザンザキスさんが静かに泣いてる。


「いやだとしても、こんなのでひっかかるか? 」


 ヨシアキ大佐が馬鹿にしたように言った。


「そのとおりじゃぞ、引っかかる訳なかろう」


 樹老人(じゅろうじん)が頭を抱えてる。


「何をしてるのじゃ? 」


 ザルの中の樹老人(じゅろうじん)の横に顎髭の長いコロポックルのようなおじいさんが立ってる。


「はあああああああ? 何で来るんじゃあああああああ! 」


 樹老人(じゅろうじん)が叫んだので、ザルのひもを引っ張って、ザルを被せた。


「ああ、捕まってしもうた」


 コロポックルのようなおじいさんがにっこり笑った。


 こうして、料理の兄弟神のグリラが捕まった。 

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