第十八部 第二章 料理の兄弟神
「樹老人さんから聞いたんだけど、グリルとグリラの兄弟神と言って、グリルが素材を高める力をグリラが料理の味を高める力を持ってるそうなの」
ミツキが嬉しそうに皆に説明した。
何だ、そのグリとグラみたいな名前は、と思ったが黙っていよう。
とりあえず、まだ先がありそうだし。
「そして、何と、このパドリダのマルガリタリって山に住んでるらしいのです」
アオイも続けて言った。
「ほう、なるぼとな」
カザンザキスさんが頷いた。
その神様にメニューとレシピをお願いするって言うのか。
なるほどな。
「「だから、皆で、攫って来ましょう」」
アオイとミツキが満面の笑顔だ。
この二人以外の全員が紅茶を吹いた。
「え? なんでそうなるの? 」
カザンザキスさんが唖然としてる。
「お願いするんじゃないの? 」
ヨシアキ大佐が驚いて聞き直した。
「いや、いろんな事お願いするから、攫った方が早いかなと」
ミツキが本当に良い笑顔だ。
「考え方がおかしくね? 」
ヨシアキ大佐が凄い顔をした。
「えー、そうかな? だって、メニューの見直しとかいろいろあるし」
ミツキが悩む様に言った。
「ヤマトの人間って本当にどうなの? 」
樹老人さんが呆れ果ててるようだ。
「何でも、その手をかざすだけで、料理がうまくできるそうなんですよ」
アオイが目を輝かせた。
「それなら、ずっと居て貰った方が良いでしょ」
ミツキが皆に同意を即すように皆に聞いた。
「むう、確かに、ありと言えばありかな。しかし、どうなのだろう。また、スルトみたいに無茶苦茶強い神様だとか言うオチは無いんだろうな」
俺が不安になって問いただした。
「え? アリなの? 」
ヨシアキ大佐が唖然としてる。
「それは大丈夫。樹老人さんのお友達で、同じようなコロポックルみたいな神様なんだって」
「ほー、じゃあ。大丈夫だな」
「ちょ、おかしいだろ? 」
ヨシアキ大佐が突っ込んできた。
「待ってよ。それはどうなの? 手をかざすだけで味が良くなるって、ちょっと料理と言う事に対して問題だと思うんだけど」
深雪がちょっと不本意そうだ。
「ヤマトにもあるが、向こうの世界の日本にも似たようなものがあるだろう」
俺が笑った。
「え? そんなものあった? 」
さくらが不思議そうに聞いてきた。
「ある。グルタミン酸ナトリウム。味の〇だ」
「「ええええ? 」」
深雪とさくらが驚く。
「とりあえず、うまみ成分なんで、かけとけば美味しくなるだろ」
俺が答えた。
「なるほど、同じだね」
ミツキが何度も頷いた。
「どこが、同じなんだよ」
だいぶシ〇アが抜けたクニヒト大佐が言った。
「どえらいのが<終末の子>になったもんじゃのう」
樹老人が悲しそうだ。
「お、お、お前、それは神様に対しておかしいだろ? 」
ヨシアキ大佐が動揺している。
「とりあえず、じゃあ準備をしましょうか」
ムラサキがうきうきと用意をはじめた。
「いろいろと準備がいるわね」
ユイナも楽しそうだ。
「こ、この面子、何かおかしいだろ」
ヨシアキ大佐が納得いかないようだ。
「龍女様はいいのですか? 」
ダグダ師匠が聞いた。
「夫がやると言うのなら、仕方あるまい」
龍女さんが笑って答えた。
「いつもの嫌なパターンになりそうだな」
だいぶシ〇アが抜けたクニヒト大佐が言った。
元に戻ると本当にネガティブだな。