第十八部 第一章 プロローグ
仕方ないから、一号店のスーパーを皆で見て回って、いろいろと店のバックルームへ行って試食したりした。
そしたら、深雪とさくらが料理上手だったらしく、バックルームの調理室の調味料なんかを工夫して、レシピをさらに美味しくしたので、皆が驚いた。
これならと言う事で、ヤニスさんもイオニアスさんも喜んで、全体のメニューとレシピ見直しに動くことになった。
何か、それを見てたら、ミツキなんかが深雪と幼馴染なせいもあって、ライバル心みたいなのを煽られたらしく、アオイとミヤビ王女なんかとひそひそ話してたのは気にはなっていた。
しかし、俺からするとミツキは昔から料理とか下手だし、アオイやミヤビ王女なんかも、料理は自分で作るのでなく、専門のコックさんとかに作って貰う方だったので、俺はそんなに気にしてなかった。
まさか、あんな提案をすると思わなかったのだ。
その後、カザンザキスさんに報告した後で、許嫁達とアポリトとクニヒト大佐とヨシアキ大佐とヤニスとイオニアスさんとカザンザキスさんと樹老人さんとダグダ師匠で、いつもの海が見えるカザンザキスさんのラウンジで皆でお茶をした。
「いや、本当に深雪さんとさくらさんの料理上手には助かりました」
ヤニスが嬉しそうだ。
イオニアスさんが、そのうちのから揚げの惣菜を持ってきて、皆でつまむ。
「ほう、柔らかいな。冷めても美味しいし」
カザンザキスさんも食べながら頬を緩ませる。
「まさか、水分を加えるのと、もみ込みがこんなに大事だとは思いませんでした。それと、あの二度揚げですね」
イオニアスさんも褒めちぎってる。
「いえ、そんな」
深雪が照れくさそうに笑った。
「後、それ以外にも魚料理の煮つけとか、臭みを消して素晴らしかったです」
ヤニスさんも褒めた。
「喜んで貰えたらうれしいです」
さくらも照れくさそうだ。
ミツキとアオイの目が燃え出す。
むぅ、つまんない事でライバル心を燃やすものだ。
別に一夫多妻なんだし、皆で分担すりゃいいじゃん、などと考えていた。
「待って、私達もメニューでやレシピで貢献したいんだけど」
ミツキが手を挙げた。
俺とアポリトが紅茶を吹いた。
最初に掴まって仮面被ってたのが実は妹だと分かった時、何もしないのは申し訳ないからと、皆にミツキが料理を作ったら、その後、全員が酷い目にあった。
とにかく、臭くてまずくて食えない。
だけど、可愛い妹が作ったと言うので、俺は必死なって食ったら、後でトイレに籠城する羽目になった。
「いや、お前、それはやめた方が……」
「分かってるわよ。料理がうまくない事なんて」
ミツキが膨れつらで答えた。
いや、うまくないんじゃなくて、猛毒なんだが……。
「待ってください。私も正直、専属のコックさんに作ってもらうばかりで、自分では作ってませんからレシピもメニューの開発も無理です。でも、別の手があるんです」
アオイが目を輝かせた。
「ほぅ、何をするんだ? 」
カザンザキスさんが可愛い孫の提案なんで、微笑んで聞いた。
ミツキとアオイが嬉しそうに顔を見合わせた。
「こちらの世界って料理の神様がいるらしいの」
ミツキが皆を見回して言った。
これが、あの騒動の始まりだった。
今日はもう一つが一章しか投稿できなかったんで、こっちをもう一章投稿します。
っても、次の日になってますが……。
この第十八部が幕間みたいな感じで第十九部から本格的に話が動きます。
まあ、明後日の方向に全力ですけどw
ブックマークとか本当にありがとうございます。
向こうのも書かないといけないんだけど。
すいません。