第十七・五部 第三章 いつものヤツ
腹が減った。
十三時間の正座は新記録だ。
俺はコンチュエの王宮のこないだ壊れて再建された迎賓館の巨大な貴賓専用の宿泊室にいた。
「ここならいくら騒いでも、何が起こっても大丈夫だから」
チアンウェイが満面の笑みで、ここを使わせてくれた時は、殺意を感じた。
騒いでも大丈夫と言う事は悲鳴を上げても誰も助けに来ないと言う事だ。
すでにチアンウェイも部屋にはいない。
ちゃんと許嫁達とエッチをしてたのもばれたので、深雪とさくらもブチ切れた。
それとは別で、白人の婚約者の件でアオイ達がブチ切れた。
腹を出してションベン漏らしてたチコは引き摺って連れて来られて、こっちで泡吹いて気絶してる。
動物愛護協会がブチ切れそうだ。
段々皆の俺を見る目がカマキリのように無機質になって来た。
怖いなんてもんじゃない。
これに比べれば、親父やウィリアム少佐やホアンや爆龍王ゴウオウの睨み付ける目がジャンガリアンハムスターのうるうるした目に見えるレベルだ。
重い空気の中でムラサキが口を開いた。
「まあまあ、こういう時は、ぱーっとやるものですよ」
と例の精力剤を前よりでかいボールに酒と一緒に注ぎだした。
「まあ、しょうがないか」
ミツキが照れくさそうに言った。
え?
何がしょうがないの?
すでに、ユイナとキョウカが服を脱いでる。
何、これ?
龍女さんがゴクゴクと音を立てて精力剤をラッパ飲みしてる。
もう、やる前提になってる。
おかしいだろ?
「ちょっと、何してんの! 」
流石に深雪は向こうの世界の人間だから、これにはついていけないだろう。
「いえ、こういう時は皆でエッチして、ぱーっと仲直りです」
ムラサキが凄い論理を言い出した。
「ちょっと、待って、私はするなら、一人で……」
さくらさんがすでにやる前提で話をしてるんですが。
「何言ってんですか? ユウキさんは最初が5Pですよ? 」
ムラサキが困ったなぁという感じで言った。
「「は? 」」
深雪とさくらが唖然とした。
「一人では無理じゃろ。身体が壊れてしまうぞ」
龍女さんが言った。
「「え? 」」
「ノルマが一人一日十五回ですから」
さらっと増えてるぅぅぅぅぅ!
しかも、すんごいインフレぇぇぇぇえ!
「え? いや、九人ですよね? 」
深雪が凄い顔した。
「ああ、回復魔法を使うから大丈夫ですよ」
ミヤビ王女が優しい顔で言った。
いや、君は何を優しく、さらっと言ってんの?
「 ほら、ぐぃっといきましょう」
アオイが精力剤を二人に一本ずつ渡した。
二人が顔を見合わせた後、一気に飲んだ。
「いや、それは駄目だろ! 」
流石に俺が叫んだ。
そしたら、龍女さんとアオイにがっしりと肩を掴まれて、ムラサキとミツキがお碗のチャンポンドリンクを一気に俺の口に注ぎ込んだ。
結局、このパターンかよ。
あーあ。
今日は仕事なんで、三本目も投稿します。
台風の中で徹夜の仕事してる私に是非ともブックマークをw