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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第十七部 第十章 エピローグ

「今日は久しぶりに友達に会ったんで、そちらの家に泊めてもらう事になったから」


 深雪がスマホで親に連絡して了承を得たみたい。


 チコがいるから駄目だろうにと思うのだが、相手の家が犬好きなんで連れていく事になったと言う説明で了解を得たらしい。


 さくらもお嬢様なのに外泊を許されたそうな。


 良いんだろうか。


 あれから街の外れで降りて、どこか泊まる所を探すはずが、山の方で降りてしまったので、結局、山の中のラブホテルに三人と犬一匹で泊まることになった。


 犬の方は仕方ないので、ラブホテルのフロントでばれないように隠して連れてった。


 三人なんで、フロントの人にそれとなく言われたが、3Pですと笑顔で答えたらフロントには了承されたものの、深雪とさくらが鬼のような顔になった。


 部屋に入ると、懐いてるチコが俺の足元ですりすりしてくるのと深雪とさくらの顔が怖いので、誤魔化す為にチコと遊ぶ事にした。


 元々、チコは家の中で飼ってるらしいので、あまり悪さはしないようだ。


「で、あの赤毛の人が言ってた話は本当なのね」


 ベットに座ってる俺に深雪が聞いてきた。


「ああ。信じられないだろうけど、全部現実だ」


 俺が答えた。


「何で? 何で? 婚約者が八人もいるの? 」


 は?


 そこですか?


 むこうの世界とかこちらの世界とか聞かれると思ってたら、何故に?


 まあ、実は九人なんですが。


「こっちにも、婚約者がいたよね」


 さくらが聞いてくる。


「いや、その話は初耳だし」


 俺が答えた。


「でも、むこうの八人は自分で決めたんでしょ」


 深雪の目が怖い。


 何なの?


「いや、向こうからの押し付けだし」


 俺が必死に抗弁した。


「じゃあ、何もしてないんだよね」


 さくらが聞いてくる。


 声が少し怖い。


「してないよ。何もしてないよ」


 言いながら俺が首をぶんぶん振った。


 深雪が無表情に俺を覗き込む様に見てる。


 凄い怖い。


 何、このホラー。


「とりあえず、今日は汗かいたからシャワー浴びてくる」


 いきなり深雪が言った。


「え? そりゃいいけど」


 でも、男が居るのにどうなんだろうね。


 良いのか?


「じゃあ、私も行く」


 って、さくらも続いた。


 二人がバスルームに行った後、手持ちぶたさで懐いてるチコを可愛がることにした。


 そしたら突然、右手の紋章に渦が出だす。


 こ、これは、確か召喚の時の。


 そ、その手があったか!


 アオイ達が俺に再度召喚をかけたようだ。


 良し、このまま消えれば逃げ切れる。


 そう思ってたら、チコが俺の身体が消えていくんで吠えまくる。


 あぅ。


「ど、どうしたの? 」


 深雪がバスタオルを巻いて出てきた。


 俺の右手が空間に呑まれてるので驚いてる。


「な、何? 」


 さくらもバスタオルを巻いて出て来ると驚いてる。


「又、召喚されたみたいだ。すまない。とりあえず、このお金を置いてくから、明日はそれで帰ってくれ」

 

 俺が左手で札束の一つをベットの上に置いた。


「それなら、私も行く」


 バスタオルを巻いたまま深雪が俺にしがみついてきた。


 ええええええええ?


 なじぇ?


「私も行く」


 さくらも俺にバスタオル姿のまましがみつく。


 まずい。


 このまま召喚されたら、俺が死ぬ。


 間違いなく死ね。


 フラグじゃ無くてガチで死ぬ。


「駄目だ。命がけになる。君達を巻き込むわけにはいかない」


 俺がきりりとして答えた。


 が、深雪が覗き込むように、じっと俺を見て、さらに俺の服を指に巻き込む様に掴んで離さない。


 え?


 何かばれてる?


 さくらも深雪の真似をしてしがみついてきた。


「ちょっと、マジで駄目だって」


 俺が二人に言った。


「へー、何で駄目なのかな? 」


 深雪の声が怖い。


 本当にヤバイ。


 アオイやミツキがこのままだとキレます。


 俺が死ぬ。


 死んでしまう。


 身体の上半身が渦に呑まれて、深雪もさくらも身体が渦に巻き込まれていく。


 チコまで来た。


 だ、誰か、助けてください。


 


 

 

 いつも、読んでいただいてありがとうございます。

 

 ブックマークと評価もありがとうございます。


 さらに、感想を本当にありがとうございます。


 本当に励みになります。

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